「大きな勝利だね。それがプランだったんだ。プランというのは、20点差をつけようと20点離されようと関係なく、ここで勝利を掴むことだった。僕らは勝ってここを離れたかったから、自分たちにできるベストを尽くしたということさ」

 そう語ったのは、ミルウォーキー・バックスのドリュー・ホリデー。現地時間5月11日に敵地TDガーデンで迎えたボストン・セルティックスとのカンファレンス・セミファイナル第5戦で、ディフェンディング・チャンピオンは110−107で見事激戦を制した。

 試合はホームのセルティックスが第4クォーター残り10分を切って14点(93−79)をリードするという展開。しかしそこからバックスは徐々に追い上げ、残り42.4秒にホリデーの3ポイントで同点に追いつく。

 その後ジェイソン・テイタムのフリースロー2本でセルティックスが再び2点差をつけると、ヤニス・アデトクンボがフリースロー1本目を成功。2本目を落とすも、ボビー・ポーティスがオフェンシブ・リバウンド争いに競り勝ち、値千金のショットを成功させてバックスが逆転した。
  残り11.4秒で1点差という痺れる展開のなか、直後の守備ではホリデーがマーカス・スマートのショットをブロック。3点差となった残り5.9秒で迎えたセルティックス最後の攻撃では、またもホリデーがスマートからスティールを決め、バックスの勝利を確定させた。

「JT(テイタム)で決めるつもりだった。でも周りには皆が立っていた。俺たちにはタイムアウトがなく、残り5秒しかなかった。そこで俺はオープンになってプレーメークしようとしていた」

 最後のプレーについて、右サイドでオープンになっていたテイタムで攻める作戦だったことを明かしたスマートだったが、センターライン付近にいたホリデーに阻まれ無念のターンオーバー。「ドリューがいいヘルプをしていた。彼がいいプレーをしたんだ」と相手を称えた。

 3勝2敗でカンファレンス決勝進出に王手をかけたバックスは、アデトクンボがゲームハイの40得点、11リバウンド、ホリデーが24得点、8リバウンド、8アシスト、1スティール、2ブロックをマーク。ポーティスが7本のオフェンシブ・リバウンドを含む15リバウンドに14得点、パット・カナトンが13得点とベンチ陣も気を吐いた。
  土壇場で殊勲の働きを見せたホリデーは「確かに、第4クォーター途中にボストンで14点負けていたら、誰しも不利な立場だと言うだろう。でも僕らは一丸となった。僕らはそういう世界で生きているのさ」と、王者としての団結力を見せつけた。

 一方のセルティックスはテイタムが34得点、6リバウンド、4アシスト、ジェイレン・ブラウンが26得点、8リバウンド、6アシスト、スマートが15得点、2スティールを残すも、これで後がなくなった。
  スマートは「ボックスアウトをしっかりやっていれば俺たちが勝てただろう」とポーティスに許した終盤のリバウンドを悔やみつつ、「相手はディフェンディング・チャンピオン。彼らは王者としてのプレーをいくつか決めた。俺たちはここから巻き返さなければ」と次戦の反撃を誓った。

 シリーズ第6戦は13日、バックスのホームで行なわれる。「ホームの試合で自分たちを勝利する位置に持っていけたらいいね。あとはできるだけゲームを楽しんで、上質なバスケットボールをして競い合うだけ」とアデトクンボが語ったように、バックスはシリーズを決着させるべく次のゲームに臨む。

文●秋山裕之(フリーライター)