近年の球界で話題となり続けている言葉が「リアル二刀流」だ。昨季にアメリカン・リーグのMVPに輝いた大谷翔平(ロサンゼルス・エンジェルス)がメジャーリーグで一大フィーバーを巻き起こすと、そのワードは一般社会でもトレンドとなった。

 投打で出色のパフォーマンスを披露した27歳のサムライは次々とメジャー記録を塗り替えた。彼の活躍ぶりを見ている限り、投打で出場し続ける二刀流が簡単なように錯覚してしまう。だが、米球界の酸いも甘いも熟知する人物からすれば、やはり大谷は異質な存在だ。

「オオタニがメジャーレベルでやっていることは、元選手として理解し難い」

 そう語るのは、元捕手のアレックス・アビラ氏だ。2009年にデトロイト・タイガースでメジャーデビューを飾ってから7球団を渡り歩き、通算1052試合に出場した名手は、MLB公式ネットワーク局『MLB Network』の番組『MLB Tonight』に出演した際に、大谷の凄みをこう続けた。

「普通、投手は捕手とともにイニング間に相手バッターに対する対応策を話し合うんだ。でも、彼は打たなきゃいけない。そうすると、普通は取れる投球に関するコミュニケーションが取りづらいと思うんだ。少なくとも捕手目線から見ればね。だから、投球戦略に関してはオオタニも、彼のボールを受ける捕手も自分の仕事を『本当に上手くやらなければいけない』と感じているはずだよ」
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 バッテリーの関係性を向上させるためにもイニング間の意思疎通は重要となる。その作業の重要性を何よりも理解するアビラ氏は、12年間の現役生活でマックス・シャーザーら数多の投手のボールを受けてきた捕手らしい興味深い持論も披露した。

「これは何度も経験したことなんだけど、僕は打つ準備をしている時でも、シャーザーとか投手とは、前のイニングについて話し合っていたんだ。打席に立つまで捕手の立場で考えているものはあるんだ。だからオオタニのやっていることは信じられないね」

 野球の本場をもどよめかせる大谷のリアル二刀流。名捕手をして「理解し難い」と言わせる活躍は、本人の努力もさることながら、周囲の理解があってこそ成立するのだろう。

構成●THE DIGEST編集部

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