現地時間5月12日、フィラデルフィア・セブンティシクサーズはホームのウェルズファーゴ・センターでマイアミ・ヒートとのシリーズ第6戦に臨んだ。

 10日の第5戦で85−120の大敗を喫し、2勝3敗と追い込まれていたシクサーズは、前半を終えて48−49と1点のビハインド。後半に逆転を狙ったが、19−4のランでヒートに一気に突き放され、最終スコア90−99で敗れて今季を終えた。

 2020年に続いてカンファレンス・ファイナル進出を飾ったヒートでは、ジミー・バトラーがゲームハイの32得点に8リバウンド、2ブロック、マックス・ストゥルースが20得点、11リバウンド、5アシスト、PJ・タッカーが12得点、9リバウンド、2ブロック、バム・アデバヨとタイラー・ヒーローがそれぞれ10得点。

 バトラーにとって、シクサーズは18−19シーズン途中から加入して過ごした古巣。ジョエル・エンビード、トバイアス・ハリス、ベン・シモンズ(現ブルックリン・ネッツ)らとともにプレーオフへ臨み、カンファレンス・ファイナル進出まであと一歩のところまで迫った。とくに試合終盤のクローザー役をこなしたバトラーは、エンビードと良好な関係を築いていたが、19年夏に4チーム間のトレードでヒートへ移籍していた。
 
「彼のことは大好きだし、誇りに思っている。そう、俺はまだ彼のチームにいたらな…とも思う。もちろん、俺はヒートを愛しているし、ここにいられて嬉しい。でもエンビードのことは大好きだし、リスペクトしている」

 バトラーはシリーズ終了後、エンビードについてそう語った。

 一方、敗れたシクサーズではそのエンビードが20得点、12リバウンド、タイリース・マキシーが20得点、4アシスト、シェイク・ミルトンが15得点、ハリスが14得点、8リバウンド、2ブロック、ジェームズ・ハーデンが11得点、9アシスト。

 シクサーズは5年連続でプレーオフへ出場し、そのうち4度ファーストラウンドを突破したものの、またもやカンファレンス・セミファイナルで敗退。チームはアレン・アイバーソンを中心に、NBAファイナルまで駆け上がった01年を最後に、カンファレンス決勝へ進めずにいる。

「多くの部分で、俺たちは努力してきた。でもそれではまだ足りないということ」

 エンビードがそう語ったように、シクサーズは今季開幕からシモンズを欠いた布陣で戦い、エンビードがMVP級の活躍でチームを牽引。今年2月にはシモンズら3選手を手放し、ネッツからハーデンとポール・ミルサップを獲得する大型トレードを断行し、一躍優勝候補へと浮上した。 だがシーズン途中に加入したこともあってハーデンは積極性を欠き、この試合であげた11得点はいずれも前半のみで、後半は無得点に終わった。

 ハーデンはプレーオフ12試合の出場で平均18.6点、5.7リバウンド、8.6アシストにフィールドゴール40.5%、3ポイント36.8%。得点はキャリア4年目以降ではワーストの数字だった。

 ハーデンの来季契約はプレーヤーオプションながら、約4737万ドル(約60億6336万円)と超巨額。本人は「俺は(来シーズンも)ここにいる。このチームが成長し続けて向上し、最高のレベルで競い合うために必要とされるなら何でもする」と語るも、今プレーオフのパフォーマンスを考えると、“もらいすぎ”の印象は否めない。
 「このチームが彼を獲得してから、俺たちはヒューストン時代のジェームズ・ハーデンを期待していた。だが彼はそうではなかった。プレーメーキングに重点を置いていた。もっとアグレッシブにやってくれていたら、と俺だけでなく皆が思っていた」

 エンビードが語ったこのコメントが、シクサーズ関係者やファンの気持ちを代弁していると言えよう。

 試合後の会見で、ハーデンはボールがあまり回ってこなかったことを漏らしており、「ドック・リバース・ヘッドコーチはプレーコールしたのか?」と聞かれると「次(の質問)」と交わしていたことから、来季に向けて改善していくことが多々あるのだろう。

 はたして、シクサーズは来季に向けてどう動くのか。ハーデン自身も残留を前提に、チーム内での役割を変更していくのかも気になるところだ。

文●秋山裕之(フリーライター)