ネッツのアマレコーチがアービングに「悩まされた」と告白。一方で「ナッシュとは理解し合える」と来季に期待も<DUNKSHOOT>
ネッツはケビン・デュラント、ジェームズ・ハーデン、アービングのビッグ3を擁し、開幕前は“スーパーチーム”として優勝候補に挙げられた。しかし計算外だったのは、アービングがワクチン未接種により、ニューヨークでのホームゲームに出場できず、チームからも離脱したこと。ワクチン接種義務のない都市のアウェーゲームだけに出場する“パートタイムプレーヤー”として復帰したのは今年1月に入ってからだった。
さらに、デュラントが故障で離脱、ハーデンをトレード期限最終日にフィラデルフィア・76ersへ放出する大きな決断を下す。1月下旬から2月中旬にかけては泥沼の11連敗を喫するも、アービングが1試合60得点をあげるなど調子を上げ、ニューヨーク市のワクチン接種規定が緩和されたことで3月下旬からようやくホームゲームに出場できることになった。
結局、レギュラーシーズンを44勝38敗で終えたネッツはプレーイン・トーナメントに回り、第7シードとしてボストン・セルティックスとのプレーオフ1回戦に臨んだが、まさかの4連敗でシーズン敗退となった。
2020−21シーズンから2年間、現役時代に共闘したスティーブ・ナッシュHCの右腕としてアシスタントコーチを務めたスタッダマイアーは『ESPN』の番組『First Take』で、アービングがワクチン接種を拒み、シーズンの半分以上を欠場したことがチーム作りに大きな影響をもたらしたと認めた。
「カイリーの存在は我々を悩ませた。チームケミストリーを構築するための一貫性が彼にはなかったからね。アウェーゲームでしかプレーできず、ニューヨークでのゲームには出場できない。試合スケジュールに応じてラインナップやマッチアップの変更を余儀なくされた。コーチ陣はカイリーの代わりに誰がプレーするのか、把握するのが難しかった。ケミストリーを上手くコントロールできなかったし、望むような形にはならなかった」
名物コメンテーターのスティーブン・A・スミス氏がナッシュHCかアービングのどちらを取るか決断すべきと主張したのに対し、スタッダマイアーはアービング放出論には否定的な見解を示した。
「それには同意できない。スティーブ(ナッシュHC)とカイリーはお互いに理解し合えるはずだ。カイリーはバスケットボールのゲームに専念しないといけない。彼はNBA75周年記念チームに選出されるべきだったと思う。熱心に、真摯に取り組めばそれだけ素晴らしい選手だ。来シーズンに向けてモチベーションを保ち、自分がトッププレーヤーだとシーズンを通して証明しないといけない」
アシスタントコーチ退任の意向を示したスタッダマイアーだが、来季の契約がプレイヤーオプションとなるアービングを含めて、ネッツはどのようなチーム作りで立て直しを図るのだろうか。
構成●ダンクシュート編集部