プレミアリーグ最終節で、逆転でのチャンピオンズ・リーグ(CL)出場権(4位以内)獲得を目指してエバートン戦に臨んだアーセナルは、5-1の大勝を収めたものの、ライバルのトッテナムも5-0で勝点3を積み重ねたことで、わずか勝点2差で5位フィニッシュとなった。
  6シーズンぶりのCL出場が成らなかった一戦、冨安健洋は前節ニューカッスル戦の前半に負った右足ハムストリングスの怪我によって欠場を強いられ、新天地ではリーグ戦で21試合出場・1アシスト(公式戦22試合・1アシスト)を記録して1年目を終了している。

 シーズンを通して苦しめられたふくらはぎの負傷では、14試合での欠場を余儀なくされたが、ピッチ上では圧倒的な存在感を発揮。右SBとして空中戦、デュエルで相手選手を圧倒し、効果的なオーバーラップやパスで攻撃面でも貢献した彼は、現地メディアから「今季のアーセナルで最も有効な補強」とまで評価され、その後はチームの緊急事態に対応して左SBやCBでも安定したプレーを披露した。

 サッカー専門サイトの『football.london』は、アーセナルの各選手に対して、今季の「査定」を行なったが、その中で冨安には10点満点中「8」の高採点。寸評では「幾人かの候補がいる中で、おそらく昨夏のアーセナルのベスト補強だろう。守備では欠点がなく、技術面にも優れており、すぐに右SBとして適応し、それまでチームの弱点だったポジションを、強みに変えた。残念ながら、怪我が彼への最高採点を阻んだ。『ガナーズ』は筋肉の問題が過去のものとなることを願っている」と綴られた。

 ちなみに、彼と同採点は、アーロン・ラムズデイル、ベン・ホワイト、ガブリエウ・マガリャンイス、トーマス・パーテイ、グラニト・ジャカ、マルティン・ウーデゴー、ガブリエウ・マルチネッリ、エディー・ヌケティアの8人。そして、これを上回って最高採点を与えられたのは、ブカヨ・サカ(「9」)だった。

 アーセナルは昨夏、冨安の他、ラムズデイル、ホワイト、ウーデゴー(レンタルから完全移籍)、ヌーノ・タバレス、アルベール・サンビ・ロコンガを獲得するのに1億5000万ポンド(約242億円)を費やし、大幅にチーム力を高めることに成功したが、冨安を含む主力選手に怪我が続出。冬の移籍市場で補強がなかった一方で、多くの余剰戦力を放出したことが裏目に出て、チームは駒不足に陥り、一時は手中に収めかけていたCL出場権をトッテナムに奪われることとなった。
【関連記事】なんと米メディアが早くもカタールW杯全試合の結果を徹底予想! 日本の結果、そして優勝国は!? 来季ヨーロッパリーグに回ることになった事実は、クラブの財政面にも影響を与えるのは必至で、日刊紙『THE Sun』は「昨夏のような補強を行なうことは簡単ではない」と指摘。オーナーのスタン・クロエンケ氏は「夏の支出を正しく行えれば、チームは向こう5、6年間、素晴らしい状態を保てる」とのミケル・アルテタ監督の主張を受けて入れているというが、その前にさらなる余剰戦力の整理が必要になるようだ。
  冬の移籍市場で、ライバルのトッテナムがデヤン・クルゼフスキとロドリゴ・ベンタンクールを迎えたのに対し、アーセナルはドゥシャン・ヴラホビッチとアルトゥールの獲得を狙いながらいずれも実現できなかったことが、その後の両チームの明暗を分けたとして、補強を司るテクニカルディレクターのエドゥに非難が向けられたが、彼がSNSで「ベストな形でシーズンを終えるための、努力、献身、コミットメント、時間が不足していたということは決してなかったと保証する」と反論している。

 来季、改めてCL出場権獲得に挑戦することになるアーセナル。冨安については、今季のような安定したプレーに加え、コンディションの維持も重要な課題となるが、クラブには彼のバックアップ体制の確立も求められる。ウディネーゼのアルゼンチン代表サイドプレーヤー、ナウエル・モリーナの獲得なども噂されているが、それぞれがどのような準備ができるかに要注目だ。

構成●THE DIGEST編集部
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