いよいよ佳境を迎えているテニス四大大会「全仏オープン」は現地5月31日に男子シングルス準々決勝を実施。世界ランク3位のアレクサンダー・ズベレフ(ドイツ)が19歳で同6位のカルロス・アルカラス(スペイン)を6−4、6−4、4−6、7−6(7)で下し、同大会2年連続となるベスト4進出を決めた。

 今季だけでツアー4勝を挙げるなど目覚ましい活躍ぶりを見せているアルカラスとは、今大会が4度目の顔合わせ。直近の対戦は前哨戦のマドリード・オープン(スペイン・マドリード/クレーコート/マスターズ1000)決勝で、この時はズベレフが3−6、1−6のストレートで完敗を喫していた。

 だがこの日の準々決勝ではズベレフが序盤から試合を優勢に進め、第4ゲームでアルカラスのミスを誘ってブレークに成功。そのまま順調にサービスキープを続けて第1セットを先取する。第2セットに入っても相手に付け入る隙を与えず、早くも勝利に王手を掛けたズベレフ。

 ところが劣勢でも冷静にプレーを続けるアルカラスに第10ゲームでブレークを献上して第3セットを落とすと、第4セットでは先にリードを奪いながらもサービングフォーザマッチとなった第10ゲームを落としてタイブレークに突入。拮抗した展開の中で勢いづくアルカラスに一時セットポイントを握られたものの、それを凌ぎ切ったズベレフがマッチポイントでリターンエースを決め、3時間18分の激戦を制した。
  終始安定したプレーで見事にマドリード決勝の雪辱を果たした25歳は、試合後の記者会見で「今世界で最も優れたプレーヤーの1人」であるアルカラスとの接戦をものにしたことについて「グランドスラムの大舞台で彼に勝てたことは僕にとってとても重要なことだ。タイブレークでも一進一退の攻防のなか、僕は良いテニスができた」と喜びを表現した。

 また凄まじい勢いで進化を続けるアルカラスに勝つためのキーポイントについて「今日は僕のメンタルがどうなるのかが重要だった。最初のポイントからベストなプレーをする必要があった」と明かしたズベレフ。会見の最後には「彼にリードを許し、自信をつけられてしまうと、そこから立ち直るのはとても難しいだろうと思っていた。最終的には第5セットまでもつれ込まずに勝てたから満足している」と安堵の表情を見せた。

 次なる準決勝でズベレフを待ち受けるのは全仏13度の優勝を誇る赤土の王者、ラファエル・ナダル(スペイン/5位)だ。ナダルは同日の準々決勝で前回覇者のノバク・ジョコビッチ(セルビア/1位)を6−2、4−6、6−2、7−6(4)で破り、6年連続15度目のベスト4入りを果たした。ズベレフにとっては次戦がグランドスラム初優勝を狙う上での“最大の壁”といっても過言ではないだろう。果たしてどのような戦いが繰り広げられるのか、テニスファン注目の一戦は現地6月3日(金)に行なわれる。

文●中村光佑

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