いよいよ佳境を迎えているテニス四大大会「全仏オープン」は現地6月1日に男子シングルス準々決勝を実施。第20シードのマリン・チリッチ(クロアチア/世界ランク23位)が第7シードのアンドレイ・ルブレフ(ロシア/同7位)を5−7、6−3、6−4、3−6、7−6(10−2)のフルセットで下し、同大会初のベスト4進出を決めた。

 4回戦では世界2位のダニール・メドベージェフ(ロシア)を6−2、6−3、6−2のストレートで撃破した33歳のチリッチ。今大会は広角に打ち分けるストロークを生かした素晴らしいプレーで失セット数をわずか1に抑え、順調な勝ち上がりを見せてきた。

 だがこの日の準々決勝は力強いショットで押してくるルブレフに苦戦。お互いにサービスキープが続く拮抗した展開の中、第11ゲームで痛恨のブレークを献上し、第1セットを落としてしまう。

 それでも第2セットではラリー戦で主導権を握って第1ゲームから3ゲームを連取。1ブレークのリードを保ってセットオールとすると、第3セットでも第7ゲームで値千金のブレークを果たし、勝利へ王手をかける。

 ところが息を吹き返したルブレフに第9ゲームでブレークを喫して第4セットを奪われ、ファイナルセットはお互い一歩も譲らずに10ポイントタイブレークへ突入。ここで持ち味の鋭いショットや強烈なサービスを軸に順調にポイントを重ねたチリッチが一気にリードを広げ、4時間10分の死闘に終止符を打った。
  チリッチのグランドスラムベスト4は、準優勝を収めた2018年1月の全豪オープン以来約4年5か月ぶりのこと。またこの結果、チリッチは「ビッグ4」(フェデラー、ナダル、ジョコビッチ、マリー)以外では、全ての四大大会で4強に進出した唯一の現役選手となった。

 試合後のオンコートインタビューでは「アンドレイが信じられないほど素晴らしいプレーをしていた」と対戦相手のルブレフを称賛したうえで、「もう少しでブレークできると思っていたけど、第4セットはやられてしまった。これだけ長い時間試合をすると、少々アップダウンは出てくるものだ」と厳しい戦いを振り返ったチリッチ。そのなかでタフな一戦を何とか勝ち切ったことについて「今日は僕の日だったね」と喜びを語った。

 次なる準決勝でチリッチは四大大会で自身初のベスト4入りを達成したキャスパー・ルード(ノルウェー/8位)と対戦する。14年の全米オープン以来となるグランドスラム優勝も近付いてきたチリッチ。ツアー屈指のクレーコーターであるルードを相手にどんなプレーを見せてくれるのか、決勝進出を懸けた注目の戦いは6月3日(金)に行なわれる予定だ。

文●中村光佑

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