6月9日に5月の月間MVPが発表されるのを前に、投打各部門の月間トップ3を紹介する。今回はパ・リーグ編だ。

【打者部門】
■OPS ※60打席以上
1位 牧原大成(ソフトバンク) 1.162
2位 山川穂高(西武) 1.118
3位 今宮健太(ソフトバンク) 1.002

 リーグ全体で投高打低の傾向が顕著だったが、ソフトバンクの2人はOPS1、3位と打棒を発揮。非力なイメージが強かった牧原だが、打率.453に加えて4二塁打、2本塁打、1三塁打とパワーも発揮して長打率.679をマークした。また、今宮は出塁率.486がリーグベストだった。ちなみに4位は清宮幸太郎(日本ハム)の.929。3・4月にリーグ1位の1.159を記録した西川遥輝(楽天)は.537と一気に数字を落とした。

■打率 ※60打席以上
1位 牧原大成(ソフトバンク) .453
2位 今宮健太(ソフトバンク) .419
3位 松本剛(日本ハム) .359

 2人の4割打者がソフトバンク打線を活性化させ、月間チーム打率.288の呼び水になった。交代で2番打者を務めており、3番の柳田悠岐が打点を量産する要因にもなっている。牧原は無安打が3試合だけで、今宮は62打数でわずか4三振のみ。松本は3・4月の勢いこそやや衰えたが、それでも高打率キープで首位打者レースのトップを走り続けている。ちなみに月間ワーストは西川の.162だった。

■安打
1位 松本剛(日本ハム) 33
2位 髙部瑛斗(ロッテ) 29
2位 辰己涼介(楽天) 29

 松本のバットは打ち出の小槌状態が続き、3・4月と同じ33本のヒットを量産。年間では197安打ペースで打ちまくっている。リードオフに定着している髙部も猛追し、25日には松本に並んでシーズン安打数トップに立ったが、その後はまた引き離された。辰己は25単打がリーグ最多、28安打で4位タイに入っているチームメイトの島内宏明は13長打と11二塁打がいずれも1位と中身は対照的だ。
 ■本塁打
1位 山川穂高(西武) 9
2位 レアード(ロッテ) 6
3位 柳田悠岐(ソフトバンク) 5

 山川がリーグ全体の1割に相当する9本塁打を量産し、3年ぶりのキングへまっしぐら。5月31日の阪神戦では「全12球団本拠地制覇弾」も記録した。レアードは6本塁打のうち5本がソロと、つながりを欠く打線の煽りを受けている。日本ハムはアルカンタラ、清宮幸太郎、万波中正が4本ずつを放ち、チーム全体の本数(47)でリーグ最多に躍り出た。

■打点
1位 柳田悠岐(ソフトバンク) 23
2位 山川穂高(西武) 18
3位 万波中正(日本ハム) 15
 
 先述した4割打者2人(牧原、今宮)のお膳立てに、柳田がリーグ最多の23打点でこたえた。5月3日に山本由伸(オリックス)から満塁弾を叩き込んで4点を勝ち越したシーンは、今季のハイライトとして記憶されそうだ。山川は18打点のうち15を柵越えで記録。万波は5月18日のオリックス戦で自身初の1試合2本塁打を放ち、一気に5打点を稼いだ。

■盗塁
1.髙部瑛斗(ロッテ) 8
2.牧原大成(ソフトバンク) 5
2.松本剛(日本ハム) 5
2.辰己涼介(楽天) 5

 髙部は5月13日のオリックス戦でいずれも回の先頭打者として出塁した後、3度二塁を陥れた。試行10で8盗塁との成功率も高く、盗塁王争いでもトップに立っている。2位の牧原は失敗なしですべて成功。松本も失敗1のみで、髙部とタイトルを競っている。5位タイでは西川が4つの塁を盗んだが失敗4とプラスを計上できず、打撃だけでなく足も本調子ではなかった。
 【投手部門】
■防御率 ※20イニング以上
1位 與座海人(西武) 0.45
2位 上沢直之(日本ハム) 0.58
3位 東浜巨(ソフトバンク) 0.69

 1位の與座は3先発で自責点1のみ。5月17日のソフトバンク戦では自己最長8回0封で東浜との「沖縄凱旋対決」を制した。その東浜は5月11日の西武戦でノーヒットノーラン達成の快挙。上沢は4月終了時点でリーグワーストの防御率4.91も、5月は4先発のうち3試合で7投球回以上&自責点なしと別人のような安定感だった。一方、ロメロ(ロッテ)は3・4月の防御率0.34から5.11と大きく落ち込んだ。

■勝利
1位 上沢直之(日本ハム) 4
2位 則本昂大(楽天) 3
2位 宮城大弥(オリックス) 3
2位 津森宥紀(ソフトバンク) 3

 シーズン最初の6先発は0勝4敗だった上沢だが、5月は全4先発で勝ち投手に。則本も新型コロナウイルス陽性判定により4月を棒に振って開幕からしばらく勝ち星なしだったが、5月は5先発のうち4試合が自責点1以内で着実に白星を稼いだ。津森は救援ながら3勝。4ホールドも稼ぎ、ソフトバンク救援陣の中でも存在感を高めている。

■奪三振
1位 佐々木朗希(ロッテ) 34
2位 山岡泰輔(オリックス) 32
3位 田中将大(楽天) 29

 5月の佐々木は25.0回で34三振を奪い、9イニング平均で12.24。パーフェクトを達成した前月ほどのインパクトはないにしても、防御率1.08(4位)と併せて圧倒的な投球だった。山岡は4月から奪三振率が6.66→9.49と大幅なアップ。田中が投球回以上の奪三振を記録したのは1試合だけながら、35.1投球回と労働量の多さが物を言った。救援では平良海馬(西武)が11.1回でリーグ最多の18奪三振を量産した。
 ■投球回
1位 田中将大(楽天) 35.1
2位 則本昂大(楽天) 33.0
3位 加藤貴之(日本ハム) 31.2
3位 大関友久(ソフトバンク) 31.2

 田中は5月10日のロッテ戦で日本球界復帰後初完封。その後は3先発で3連敗を喫したが、全試合で6イニング以上を投げている。5月の加藤は白星なしで3敗を喫したが、5先発とも自責点3以内に収めながらイニングを消化し、シーズンの投球回でもトップに立った。大関は5月7日のロッテ戦では3回から8回の18人をパーフェクトに抑える好投で、プロ初完投を完封で飾った。

■セーブ
1位 増田達至(西武) 8
2位 益田直也(ロッテ) 7
3位 松井裕樹(楽天) 6

 増田は失点なしでリーグ最多の8セーブを挙げた。一方、2位の益田はセーブ数こそ稼いでいるものの、2被本塁打を浴びて防御率3.60と内容は不安定だった。また、ソフトバンクは代役クローザーのモイネロも10登板失点なしで5セーブを記録。開幕から注目を浴びるルーキーの北山亘基(日本ハム)も4セーブを挙げながら、5月下旬に2試合連続サヨナラ弾を浴びるなど防御率7.04と苦しんだ。

■ホールド
1位 東條大樹(ロッテ) 8
1位 平良海馬(西武) 8
3位 ゲレーロ(ロッテ) 6

 東條は月間無失点、ゲレーロも課題の制球が安定し、益田への橋渡しを任されるなどロッテの2人が活躍。与えた四球はそれぞれ1と0で昨季の勝ちパターンが崩れているロッテの光明となっている。一方、3・4月に3勝、9ホールドを稼いだビドル(オリックス)は、5月は防御率7.71、3敗、4ホールドと不振に陥った。

文●藤原彬

著者プロフィール
ふじわら・あきら/1984年生まれ。『SLUGGER』編集部に2014年から3年在籍し、現在はユーティリティとして編集・執筆・校正に携わる。ツイッターIDは@Struggler_AKIRA。