現地時間6月4日、ボストン・セルティックスとゴールデンステイト・ウォリアーズが、翌5日のNBAファイナル第2戦に向けてチーム練習を行なった。

 2日の第1戦は、セルティックスが120−108で制して白星発進。一方、ホームで敗れたウォリアーズとしては、次戦は是が非でも勝利を掴みたいところだろう。

「このチームにいるほとんどの選手たちは初めてのファイナルなんだ。僕らがファイナルの舞台に立てていることには理由がある。このシリーズで自分たちが巻き返したいなら、そのことを改めて理解しなきゃいけない」

 そうステフィン・カリーが語った通り、ウォリアーズはカリー、クレイ・トンプソン、ドレイモンド・グリーン、アンドレ・イグダーラ、ケボン・ルーニーの5選手こそファイナル出場経験があるものの、アンドリュー・ウィギンズやジョーダン・プールらその他の選手たちにとってはセルティックスの全選手と同様に初の大舞台となった。

 第2戦で勝利するためのカギとしてグリーンが挙げたのはディフェンス。ウォリアーズは初戦でセルティックスに3ポイント成功率51.2%(21/41)、第4クォーターに至っては成功率75.0%(9/12)と数多くのオープンショットを許していた。
 「俺たちはディフェンス面で力を入れていかないといけない。シーズンのこの大事な時期に、素晴らしいチームと対戦しているんだから、俺たちは全てのポゼッションで相手が意識するように仕向けなきゃいけない」

 そんなウォリアーズにとって最も不気味なのはジェイソン・テイタムだろう。カンファレンス・ファイナル終了時点で平均27.0点を残していた24歳のフォワードは、第1戦でフィールドゴール成功率わずか17.6%(3/17)の12得点で、セルティックスが40−16と爆発した最終クォーターはなんと無得点。

 だがシュートタッチが不調でも、ゲームハイの13アシストとプレーメーキング面で大きく貢献。『Synergy Basketball』によると、この試合で自身のパスから計38得点を生み出しており、自らの得点と合わせて50得点に絡んでいたことになる。

「一度経験したことならどうすれば対応できるか分かっているものさ。これまでも何度かショットが不調な夜があった。つまり、僕はそれを以前に味わっているということ。次戦で何をすべきかは心得ているよ」 セルティックスは今プレーオフでここまで連敗なし。それは黒星を喫した翌戦でテイタムが必ずと言っていいほど爆発しているからでもある。

 たとえば、ミルウォーキー・バックスとのカンファレンス・セミファイナル第3戦で10得点に終わった翌戦では30得点、マイアミ・ヒートとのカンファレンス・ファイナル第3戦で10得点と不発でも、次戦では31得点を奪っており、チームはその両試合で勝利している。

「メンタル面が大きいと思うね。(不調を)心の中に残してはいけない。前の試合で起こったことについて、今さら僕にできることなんて何もない。たくさんショットを落としてしまったということ。あとはどうやって準備し、次戦を迎えるかってことさ」

 テイタムが不調だったなかで、セルティックスはアル・ホーフォードが26得点、ジェイレン・ブラウンが24得点、デリック・ホワイトが21得点、マーカス・スマートが18得点をあげて攻撃を牽引。エースに頼らずとも勝利を収めたことは大きな自信になっているだろう。テイタムは、こう話している。

「だから別に、眠れなくなるってほどのことじゃない。僕らは勝った。ファイナルではそれが一番重要なことなんだ。確かに、僕はもっといいプレーをしなきゃいけない。毎試合あんなシューティングをするわけにはいかない。シューティングの面で、僕はもっと上手くプレーできる。でも(もし入らなくても)別のやり方でゲームにインパクトを与えて勝利に貢献する。試合の流れやプレーをよんでいくだけさ」
  ウォリアーズはテイタムがペイントエリアに侵入した際にディフェンスを固めたものの、テイタムはそこから冷静にキックアウトを捌き、オープンスリーを演出。これが予想以上に決まったことは誤算だったかもしれない。

 だがウォリアーズがテイタムを警戒するのも当然のこと。カンファレンス・セミファイナル第6戦では46得点を叩き出したように、この男はその気になれば試合を支配してしまうほどの爆発的な得点力を秘めているからだ。

「僕に求められていることはそれほど多くないと思う。自分たちがチームとして何をすべきか、どう準備していくか、それに相手がしてきたことに対するアジャスト、あるいは相手がどう対応してくるかだね。僕らとしては入念に準備して、1勝0敗だからといってリラックスしないことだ」

 テイタムが語るように、初戦を制したとは言え、まだまだ油断は禁物だ。だが同時にプレーメーキング面でも自信を増しているだけに、第2戦でエースが爆発することがあれば、一気にセルティックスがシリーズの主導権を握るかもしれない。

文●秋山裕之(フリーライター)