テニスの四大大会「全仏オープン」(フランス・パリ/クレーコート/グランドスラム)は現地6月5日に大会最終日を迎え、男子シングルス決勝を実施。第5シードのラファエル・ナダル(スペイン/世界ランキング5位)が第8シードのキャスパー・ルード(ノルウェー/8位)を6−3、6−3、6−0で下し、2年ぶり14回目となる全仏制覇を達成した。

 36歳となった“赤土の王”ナダルと、23歳で次代を担うルードは、今回が初めての顔合わせ。とはいえルードはナダルが運営するナダルアカデミーで腕を磨いてきた選手であり、2人の縁は深い。ナダルはルードのことを「クレーでは常に優勝候補の1人だ。決勝進出は驚くことではない」と評価し、一方のルードは「彼にずっと憧れてきた。彼のアカデミーの生徒として全力で戦う」とナダルを慕う。

 果たして決勝は、偉大なる先輩であるナダルが貫録を示すこととなった。立ち上がりからナダルは深く広角なスピンで主導権を握る。比較的弱いルードのバックを中心に配球し、フォア側にスペースが空くとそこに打ち込んでゆさぶりをかけ、2度のブレークに成功。ルードも1ブレークするが、硬さからか簡単なミスも多く、ナダルを助けてしまう。第1セットは6−3でナダル。

 第2セットはルードも粘りを見せる。第1ゲーム、ブレークポイントを3本凌いでサービスキープすると、第4ゲームでは先にナダルからブレークを奪取。武器であるフォアハンドでのアグレッシブな攻撃が機能し始め、ウイナーを重ねていく。
  しかしそういう時間帯は長く続かない。いくら打っても追いついて拾うナダルの驚異的なディフェンスに、ルードはたまらずミスを犯し、第5、第7、第9ゲームで立て続けにブレークを献上。アンフォーストエラーの数がナダルの5本に対してルードは12本に上り、第2セットもナダルが6−3で連取した。

 第3セットもナダルの流れは変わらない。深いボールでルードをベースライン後方に押し込み、オープンコートに角度をつけてエースを奪う組み立てで、一気に5−0とリード。やや運動量が落ちてきたルードに対し、尻上がりに動きが冴えてきたナダルが、そのまま6−0で押し切り、2時間18分で勝利を手にした。

 チャンピオンスピーチで「今の感情をどう説明していいのか難しい。まさかここで優勝スピーチができるなんて、自分でも驚いています。私にとって最も重要なコートでまた優勝できたのは、素晴らしいことであり、ものすごいエナジーが必要でした」と喜びを語ったナダル。

 ナダルはこれで14度目の全仏制覇を飾るとともに、グランドスラムで22個目のタイトルを手にし、いずれも自身の持つ最多記録を更新した。3月には肋骨の疲労骨折で戦線離脱し、全仏前哨戦のイタリア大会でも左足を痛めて不安視されたナダルだが、不屈の闘志と強靭なフィジカルで全仏を最後まで戦い切った。

 これで今季は全豪、全仏と連覇したナダル。形の上では年間グランドスラムの資格さえ有している。苦手とされる芝だが、今月末に開幕するウインブルドン(6月27日〜7月10日/イギリス・ロンドン/芝/グランドスラム)でどんなプレーを見せてくれるのか、今から楽しみだ。

構成●スマッシュ編集部

【連続写真】ヒジ主導でテイクバックしてパワーを生み出す、ナダルのフォアハンド