四大大会で7度の優勝を誇る男子テニス元世界ランク1位のジョン・マッケンロー氏(アメリカ/63歳)が、欧米スポーツ専門メディア『Eurosport』のインタビューに登場。先週のテニス四大大会「全仏オープン」で14度目の優勝を飾った元世界王者のラファエル・ナダル(スペイン/現4位)を称賛した。

 クレーシーズンに入る直前に肋骨の疲労骨折が判明し、約1か月半にわたって戦線離脱を強いられた36歳のナダル。前哨戦での優勝がないまま迎えた今回の全仏ではコンディションが不安視された中で何とか勝ち上がり、現地6月5日に行なわれた男子シングルス決勝ではキャスパー・ルード(ノルウェー/6位)を6−3、6−3、6−0のストレートで撃破。

 この結果全仏14度目の戴冠を果たすとともに、グランドスラムでの優勝回数もロジャー・フェデラー(スイス/50位)とノバク・ジョコビッチ(セルビア/1位)に2つ差をつける22に更新した。

 長らく悩まされてきた慢性的な左足の痛みとも戦いながら頂点に立った赤土の王者に対し、マッケンロー氏も「一人の男子選手が、あるいは一人の女子選手が、これだけ多く優勝するというのは、このスポーツでは2度と起こらないだろう」と驚きを隠せないようだ。

 さらにマッケンロー氏は「もし15年後にユーロスポーツが私を再び招き、キャスパー・ルードが全仏14連覇を達成していたら、私は逆立ちしてテレビ中継をするだろう」と持ち前のユーモアも交えながら改めてナダルの偉業を称えた。
  一方決勝戦直後の記者会見でナダルが「もし今の身体でテニスをすることに幸せを感じられないなら、もうその時は別のことをするよ」と場合によっては現役引退を決断する可能性を示唆したことについて、マッケンロー氏も「それが本当かどうかはわからないが、今回の決勝が彼の最後の試合になることはあり得る」とコメント。そう考える理由について同氏はナダルの“年間グランドスラム”(1年で全ての四大大会を優勝すること)達成が見え始めていることを踏まえた上で次のように説明した。

「彼はもうプレーをしないかもしれないというサインを出している。ウインブルドンに出ないかもしれないと言っていたが、全豪と全仏を制したのに、なぜウインブルドンでプレーしないつもりなのだろうか? 彼は(今回も)グランドスラムで勝つことができたというのに。だからいずれわかることだと思うよ」

 ちなみにナダル自身は現時点で「準備ができていればウインブルドンには出るつもりだ」と意欲を示している。だが今回の全仏でも「足に注射を打って感覚を麻痺させながら出場していた」というだけに、左足の状態がよほど芳しくないのは容易に想像できる。とにかく無理をすることだけは避けてもらいたいものだ。

文●中村光佑

【連続写真】ヒジ主導でテイクバックしてパワーを生み出す、ナダルのフォアハンド