F1は今季ここまで7戦を終えたが、アルファタウリは角田裕毅が3戦で入賞を飾り、合計ポイントは11とチームメイトのピエール・ガスリーを5ポイント上回り、予選でも3対3のタイ(昨季は1対19)と、2年目の日本人ドライバーがその成長ぶりを示している。

 一方でガスリーは、車の不具合やチーム戦略ミス、そして不運もあってここまで苦戦を強いられており、アルファタウリに対して「ミスが多すぎる」と苦言を呈するほど、フラストレーションの溜まるシーズンを過ごしている。
【関連記事】仲を深める“角田裕毅&ガスリー”に「予想だにしなかった友情」と海外メディアも注目! 「ファンも夢中」 昨季はポイントで110対32という大差をつけたチームメイトに先行を許し、心中穏やかではないと思われるフランス人ドライバーだが、母国のF1専門メディア『F1ONLY.fr』に対しては「ユウキとは仕事の上で良い関係を保てている」と語り、チームメイトの成長についても好意的なコメントを残している。

「今季の方が状況は良くなっている。なぜなら、昨季はほとんど自分ひとりで戦っていると言っていい状況だった」と振り返るガスリー。これはポイントの獲得数だけでなく、車のセットアップなどにおいても、彼がルーキーである角田を助けることはあっても、その逆は望むことができず、真の意味でチームとして機能していなかったということだろう。しかし、チームメイトの成長により、状況は改善したと彼は見ている。

「まだ毎週末、ユウキのもたらしたデータを役立てられているというわけではないが、今季の彼のパフォーマンスは、昨季に比べて良くなっている。経験を積んだし、仕事の仕方をマスターしてとても成長している。僕らは、週末を通してのアプローチの仕方がとても似ているので、(角田の成長により)仕事の上での関係は格段に良くなっている」

 コクピットの外では、非常に仲の良いところを昨季から見せている2人だが、ドライバーとしても互いに高め合う関係になることで、チーム全体のレベルを上げることに繋がるだろう。アルファタウリは今季、不安定な部分が目立っているが、日仏ドライバーコンビの強化された関係が、これを改善に導いていくことが期待される。
  さてガスリーといえば、レッドブルがセルジオ・ペレスとの契約を2024年まで延長したことで、その去就が注目されている。望んでいた姉妹チームへの再昇格が向こう2年間は叶わなくなったことで、アルファタウリとの契約が今季で満了となる彼には、マクラーレン(ダニエル・リカルドの後釜)やアストンマーティン(セバスティアン・ヴェッテルの後釜)に新天地を求める可能性が囁かれているのだ。

 レッドブルのヘルムート・マルコ顧問は、ガスリーにとって選択肢は多くなく、アルファタウリ残留こそがベストと主張しているが、英国の日刊紙『Daily Mirror』のF1担当であるダニエル・モクソン氏は、昨季のコンストラクターズチャンピオンであるメルセデスのシートが手に入る可能性を示唆している。
  今季から施行された新レギュレーションにうまく適応できず、ここまで苦しいレースが続いている強豪チームだが、とりわけ7度の世界王者であるルイス・ハミルトンは新加入の若いジョージ・ラッセルの後塵を拝し、34ポイント差をつけられている。これが2023年までの契約を結んでいる彼のモチベーションを下げ、引退を決意させる可能性があるという。

「シルバーアローのシートが空いた場合、ガスリーがそれを埋めることができる。その場合、レッドブル・グループがフランス人ドライバーのチャンスを阻むことは厳しいだろう」とモクソン氏は予想。自分たちでガスリーの再昇格の芽を摘んでしまった以上、彼がライバルチームに流出するとしても、それを見送るしかないということだろう。

 彼がこの先いかなるキャリアを歩むかは定かではないが、今季は角田とのコンビでアルファタウリをチャンピオンシップの5位に導くという目標に向けて邁進することは間違いない。その結果によっては、また違う未来が拓けてくるかもしれない。

構成●THE DIGEST編集部
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