現地時間6月2日にNBAファイナルが始まる前、ロサンゼルス・レイカーズなどでプレーしたレジェンドのシャキール・オニール(シャック)は、ボストン・セルティックスとゴールデンステイト・ウォリアーズのシリーズについて、『NBA TV』でこんなことを口にしていた。

「彼が凄く重要になってくるだろうな。ベストプレーヤーをガードするだけでなく、彼ら(ウォリアーズ)は得点も必要としている。最高のチームにいることによって、多くのことにフォーカスしなければいけない。別にすべてのショットを決めることはないが、タイムリーなショット、重要なショットを決めることが求められてくる」

 シャックが今季のファイナルでキープレーヤーに挙げていたのは、ウォリアーズのアンドリュー・ウィギンズだった。

「ウィギンズは途方もなくいいプレーをしている。俺はこれまで彼のあんなプレーを見たことがない。あそこは彼にとってベストチームであり、ベストフィットしていると思うね」

 セルティックスとウォリアーズによるファイナルは、第4戦を終えて2勝2敗と互いに譲らず、13日にチェイス・センターで行なわれる第5戦を制したチームがNBAチャンピオンへ王手をかける。

 10日に行なわれた第4戦は、左足の痛みを抱えながら、ステフィン・カリーが7本の3ポイント成功を含む43得点に10リバウンド、4アシストの超絶パフォーマンスでウォリアーズを107−97で勝利へと導いた。

「僕らは今夜ここにいるんだと、皆へ知らせてやるという感じだった」と試合後に語ったカリーは、チームのオフェンス面を1人で背負うかのように第1クォーターから12得点を奪うと、第3クォーターに14得点、第4クォーターでも10得点を奪い、残り1分42秒には事実上の決勝弾となる3ポイントを突き刺してみせた。
  そしてもう1人、シャックがキープレーヤーに指名したウィギンズは17得点に加え、ゲームハイの16リバウンドと大暴れ。ウォリアーズは残り約5分から、ショット不振のドレイモンド・グリーンをベンチへ下げて、ビッグマンをケボン・ルーニーの1人体制にしたラインナップを主に起用して17−3とセルティックスを圧倒。

 そこでウィギンズは自らのショットミスをオフェンシブ・リバウンドでカバーして追加点をあげるなど得点面で繋ぎ、ディフェンスではジェイソン・テイタムをはじめとするスコアラーたちを相手に一歩も引かずに守り抜いた。

 この試合ウォリアーズは、ウィギンズがコートに立っていた時間帯の得失点差はプラス20だったのに対し、彼がベンチに座っていた5分間はマイナス10とその違いは一目瞭然だった。

 試合後にウィギンズは「僕たちは皆、自分の役割を果たすだけだ。僕ら(のチーム)には、様々な形で試合に影響を与えられる選手がたくさんいるし、今はすべてが必要とされている」とコメント。

 さらに今後に向けて「今から数週間後に(ファイナルを)振り返って、『ああすればよかった、こうすればよかった』とならないようにしたい。すべてをフロアに置いていかなければならないんだ」と決意を新たにした。

 ダラス・マーベリックスとのカンファレンス・ファイナル第3戦では、ルカ・ドンチッチ相手にダンクをお見舞いするなど27得点を叩き出し勝利に貢献。そしてファイナルという最高峰の大舞台でも結果を残し続けているウィギンズ。第5戦以降もそのプレーに注目が集まる。

文●秋山裕之(フリーライター)