今季も多くの日本人選手が欧州各国リーグで奮闘。その中では、見事な活躍を見せた者から、ピッチに立つことに苦労する者まで、様々な姿があった。

 これらの「サムライ」たちのプレーを、ブラジルの総合メディア『globo』が徹底的に評価。「素晴らしい」「良い」「及第点」「悪い」「酷い」の5段階に分け(出場試合数は少ない場合は「評価なし」)、それぞれに対してその出来に言及しているが、ここでは記述された全選手の評価と、主要な選手に対する寸評を紹介していこう。
 ◇イングランド
冨安健洋(アーセナル/DF)「素晴らしい」
南野拓実(リバプール/MF)「及第点」

 今季ボローニャから加入し、すぐに「ガナーズ」にフィットした冨安について「空中戦で優れていた彼は、本来のポジションであるCBでプレーしなくても、アーセナルにとって最高の守備的選手だった」と絶賛。また、国内カップ戦ではチーム得点王となるなど、限られたチャンスを活かした南野に対しては「世界一の選手からは程遠いが、『世界一のサブプレーヤー』の最有力候補かもしれない」と綴っている。
【関連記事】貴重な“資産”となった南野拓実の争奪戦でリバプールは移籍金吊り上げ!? 地元メディアは利益のためにも退団を推奨

◇スペイン
久保建英(マジョルカ/MF)「悪い」
柴崎 岳(レガネス/MF)「及第点」
岡崎慎司(カルタヘナ/FW)「悪い」
安部裕葵(バルセロナB/MF)「採点なし」

 レンタル選手として3年目のキャリアをマジョルカで過ごし、大きな怪我も経験した久保を「否定できない可能性があるものの、ほとんど進化のないシーズン」と同メディアは酷評。一方、セグンダでの2シーズン目を終えた柴崎については、及第点評価としながらも、「チーム内ではその存在さえ疑問視されている」と、居場所を失いつつあることを示唆した。

◇ドイツ
長谷部 誠(フランクフルト/DF)「良い」
鎌田大地(フランクフルト/MF・FW)「素晴らしい」
遠藤航(シュツットガルト/MF)「素晴らしい」
伊藤洋輝(シュツットガルト/DF・MF)「素晴らしい」
原口元気(ウニオン・ベルリン/MF)「良い」
遠藤渓太(ウニオン・ベルリン/MF)「酷い」
奥川雅也(ビーレフェルト/MF)「良い」
浅野拓磨(ボーフム/FW)「及第点」
板倉 滉(シャルケ/DF・MF)「素晴らしい」
室屋 成(ハノーファー/DF)「及第点」
内野貴史(デュッセルドルフ/DF)「評価なし」
アペルカンプ真大(デュッセルドルフ/MF)「及第点」
田中 碧(デュッセルドルフ/MF)「及第点」
伊藤達哉(マグデブルク/MF)「及第点」

 契約を1年延長した38歳の長谷部を「フランクフルトのアイドル」と呼んだ同メディアは、ヨーロッパリーグ(EL)決勝のパフォーマンスに注目し「堅実な守備で、空中と地上の全ての戦いに勝った」と絶賛。一方、鎌田については「シーズンの始まりではあまり生産的ではなかった。彼が本当に輝いたのはELだった」と、クラブの久々のビッグタイトル獲得に対する貢献ぶりを紹介した。

 また、「2020-21シーズンで最も活躍した日本人」である遠藤航に対しては、「高いレベルでプレーを続け、2年連続でデュエル王となった」と賛辞を贈り、最終節での劇的な決勝ゴールでチームを1部残留に導いた偉業についても「その瞬間にクラブの伝説となった。この日本人選手は、チームがシーズンで最も優れた瞬間の主人公となった」と綴っている。
 ◇イタリア
吉田麻也(サンプドリア/DF)「及第点」

 セリエAで26試合に出場し、2ゴール・3アシストを記録した日本代表のキャプテンの契約最終年を「浮き沈みを経験した」と表現。守備では「ユベントス戦でオウンゴールを決め、残りの試合ではベンチに送られた」、一方の攻撃では「守備陣のトップスコアラーで、チームのアシスト王のひとり」と総括した。
 ◇フランス
川島永嗣(ストラスブール/GK)「評価なし」
植田直通(ニーム/DF)「悪い」
オナイウ阿道(トゥールーズ/FW)「良い」

 川島は公式戦2試合の出場に終わり、植田が監督交代後は不安定な立場に陥ったのに対し、挑戦1年目でチームのリーグ1昇格にも貢献したオナイウは「良い瞬間と悪い瞬間を交互に繰り返した。最終的にはバランスが良く、公式戦12ゴールを記録して価値を上げた」と称賛された。

◇ポルトガル
中村航輔(ポルティモネンセ/GK)「採点なし」
守田英正(サンタクララ/MF)「良い」
中島翔哉(ポルティモネンセ/MF)「及第点」
藤本寛也(ジウ・ビセンテ/MF)「良い」
食野亮太郎(エストリウ/FW)「評価なし」
田川亨介(サンタクララ/FW)「良い」
小久保玲央ブライアン(ベンフィカB/GK)「評価なし」

 かつて「欧州で最高の瞬間を過ごした」ポルティモネンセに2年半ぶり戻り「失った時間を取り戻そうした」中島に対する評価は、「ほとんどの試合で90分間プレーしたが、以前と同じレベルには戻っていない」という厳しいもの。一方、スポルティング移籍が決定的とされる守田に対しては、「中盤の絶対的なスタメンであり、マークとパス出しの力で際立っており、より高いレベルでプレーできることを示した」とポジティブな記述に終始している。
 ◇ベルギー
シュミット・ダニエル(シント=トロイデン/GK)「良い」
町田浩樹(ユニオン・サン=ジロワーズ/DF)「及第点」
松原 后(シント=トロイデン/DF)「酷い」
橋下大樹(シント=トロイデン/DF)「良い」
渡辺 剛(コルトレイク/DF)「及第点」
森岡亮太(シャルルロワ/MF)「素晴らしい」
三笘 薫(ユニオン・サン=ジロワーズ/MF)「良い」
三好康児(アントワープ/MF)「悪い」
香川真司(シント=トロイデン/MF)「酷い」
坂元達裕(オーステンデ/MF)「及第点」
伊東純也(ヘンク/FW)「素晴らしい」
鈴木武蔵(ベールショト/FW)「酷い」
鈴木優磨(シント=トロイデン/FW)「悪い」
原 大智(シント=トロイデン/FW)「良い」
林 大地(シント=トロイデン/FW)「良い」
佐藤光毅(ロンメル/FW)「及第点」

「素晴らしい」の評価を得た選手では、日本代表で試合ごとに存在感を増している伊東を「パス、ドリブル、クロスで素晴らしかった」と称賛し、カタール・ワールドカップ後のステップアップ移籍を予想。森岡に対しては「ビジョンとパスの正確さに加え、守備的な貢献も称賛されている」と綴り、日本代表に招集されないことを疑問視した。

そして、ブライトンからレンタル移籍の三笘について「3-5-2の左ウイングバックでプレーすることで守備への不安はあったが、前線では多くの試合で決定的な仕事を果たした」と評価。一方、PAOKで出番に恵まれず、冬にシント=トロイデンに加入した33歳の香川真司は、コンディション不良もあって6試合のみ出場。同メディアは「自身もうまくプレーし、チームが3-0で勝利したスタンダール・リエージュ戦が、彼にとって今季唯一のポジティブな試合だった」と綴っている。
 ◇オランダ
ファン・ウェルメスケルケン・際(ズウォーレ/DF)「悪い」
菅原由勢(AZ/DF)「良い」
堂安 律(PSV/FW)「良い」
中山雄太(ズウォーレ/MF)「良い」
前田直輝(ユトレヒト/MF)「評価なし」

 2年ぶりにPSVに復帰し、公式戦29試合で10得点・1アシストを記録した堂安。同メディアは「PSVにとって重要な存在であり、通常は右側でプレーする彼は、それぞれのプレーで際立っていた。MFとしては、中盤のどこでもプレーできる多様性を持っている」と高評価を下している。
 ◇スコットランド
旗手怜央(セルティック/MF)「素晴らしい」
井手口陽介(セルティック/MF)「評価なし」
古橋享梧(セルティック/FW)「素晴らしい」
前田大然(セルティック/FW)「素晴らしい」

 日本人ブームが巻き起こったセルティックで、ひと足先に加入していきなり大ブレイクを遂げた古橋に対する寸評は「期待を上回り、かつての同クラブのアイドルである中村俊輔と比較されるほどのパフォーマンスを発揮した」。冬の移籍市場で到来した前田については「最前線でプレッシャーをかけるスピードとエネルギー、そして狭いエリアでの適切なプレー。加入当初からスターターであり、プレーした全てのコンペティションでゴールを決めた」と綴っている。

 そして、宿敵レンジャーズ戦での大活躍でファンの心を一気に掴んだ旗手は、途中でパフォーマンスが低下することもあったが、寸評では「最初から絶対的なスターターであり、チームにとって最も重要な選手のひとりとなった。誰よりもチームに貢献している選手であり、パス、ゲームビジョン、動き、そしてミッドレンジからのシュートも優れている」と賛辞が並んだ。

※選手の所属はシーズン終了時に在籍したクラブ名を記述

構成●THE DIGEST編集部
【動画】欧州組が躍動! 完勝を収めたガーナ戦のハイライトをチェック

【関連記事】久保建英、ヴィニシウスのスペイン国籍取得難航でレンタル継続が濃厚…マドリー専門メディアは「今度はクボをより良いクラブへ――」

【関連記事】「強烈すぎる個人技」英メディア、三笘薫を激賞! 日本代表、クラブでの鮮烈な今季の活躍ぶりに脚光