今季のチャンピオンシップをかけて、現在NBAファイナルを戦っているボストン・セルティックスとゴールデンステイト・ウォリアーズの指揮官には共通点がある。

 セルティックスのイーメイ・ユドカHC(ヘッドコーチ)とウォリアーズのスティーブ・カーHCは、現役時代にグレッグ・ポポビッチHCが指揮を執るサンアントニオ・スパーズでプレー。さらに2人は昨年までアメリカ代表のHCを務めていたポポビッチを補佐するアシスタントコーチ(AC)も務めており、東京オリンピックでは金メダルを獲得した。

 ユドカは選手としてスパーズに3シーズン所属。引退後は2012−13から18−19まで7シーズン古巣のACを務め、14年にNBAチャンピオンを経験。カーは現役最後の5シーズンのうち4シーズンをスパーズで過ごし、1999年と03年に優勝を手にした。

 現地時間6月14日(日本時間15日)に『95.7 The Game』へ出演したカーHCは、ユドカHCとの関係を「本当に仲のいい友人で、互いに多くのことを経験してきた」と話していた。
  そしてポポビッチHCは、ファイナルが幕を開ける前に両者へテキストを送ってきたという。

「ポップ(ポポビッチ)がこのシリーズが始まる前に、私たちへテキストを送ってきた。『今の私は中立の立場にある。皆を応援していく』とね。彼はどちらが勝っても喜び、もう片方が負けると落胆することになるだろう。それが嘘偽りのないポップなのさ」

 この2人以外にも昨季王者ミルウォーキー・バックスのマイク・ブーデンホルザーHC(1996〜2013までスパーズのAC)、フェニックス・サンズのモンティ・ウィリアムズHC(現役時代にスパーズでプレー)、ウォリアーズACのマイク・ブラウン(00〜03までスパーズAC)など、現代のNBAでは多くの“ポポビッチ・ファミリー”が活躍している。

 自身が指導した選手や苦楽を共にしてきたコーチがキャリアを重ね、ファイナルという最高峰の舞台で指揮を執る姿を、リーグ屈指の名将は誇らしく感じていることだろう。

文●秋山裕之(フリーライター)