エンジェルスには大谷翔平とマイク・トラウト以外にも、個性豊かな選手が数多く在籍している。肩まで伸びたロングヘアと豊かなアゴ髭がトレードマークの期待の若手外野手ブランドン・マーシュもその一人だ。

 ジョージア州出身のマーシュは、高校時代から身体能力抜群のアスリートだった。野球だけでなく、アメフトのワイドレシーバーとしても活躍し、さらにバスケットボールもプレー。高校卒業後はケネソー州立大に進学する予定だったが、エンジェルスに2016年ドラフト2巡目(全体60位)で指名してプロ入りした。

 マイナー時代からアベレージ、パワー、スピード、肩、守備のすべてを兼ね備えた5ツール・プレーヤーとして期待され、順調にステップアップしていったマーシュ。21年は3Aで結果を残して7月の後半戦突入直後にメジャーデビューすると、長期離脱していたトラウトに代わってセンターを務めた。そして2年目の今季は激しい定位置争いに勝ってレフトのレギュラーに定着している。

 現在の最大の長所は俊足と好守だ。ベースランニングで1秒当たりどれくらいの距離を進んだかを示すスプリント・スピードでは、メジャートップクラスの数値を記録。高い身体能力は守備にも生かされ、5月24日のレンジャーズ戦ではホームランキャッチを披露、3日後のブルージェイズ戦でも大飛球をジャンプ一番好捕して、先発していた大谷を助けている。

 その類稀な身体能力は、両親から受け継がれたもののようだ。昨年4月に亡くなった父ジェイクは、息子と同じようにアメフト、バスケ、野球とマルチに活躍したアスリートで、マーシュの幼少期には多くのスポーツチームを指導するコーチでもあった。
  父の才能を継いだのはマーシュだけではない。デューク大在学中の2歳年下の妹エリンは陸上選手で、七種競技で東京五輪代表候補になったほどのトップ・アスリート。七種競技は100mハードル、走り高跳び、砲丸投げ、200m走、走り幅跳び、やり投げ、800m走を2日間にわって競うもので、勝者は「クイーン・オブ・アスリート」と呼ばれる。ひょっとすると、生来の運動能力は兄以上かもしれない。

 そんなマーシュからしても、唯一無二の“二刀流”として活躍する大谷は驚くべき存在のようで、「100マイルの速球を投げて、120マイルの打球をバックスクリーンに叩き込むんだからね。フィールドで見た中でも最も信じがたい選手だよ」と、称賛を惜しまない。私生活でも大谷と親しくしているようで、5月中旬にはマーシュ、先発左腕のパトリック・サンドバルを焼肉に連れて行ってもらったという。

 三振の多さや対左投手対策など、打撃にはまだ課題も残るマーシュだが、持って生まれた才能は間違いなく一級品。彼がトラウト、大谷に続くスター選手への成長すれば、チームの将来もぐっと明るくなるはずだ。

構成●SLUGGER編集部

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