現地時間6月15日、NBAファイナルで激戦を繰り広げるボストン・セルティックスとゴールデンステイト・ウォリアーズの選手たちと両ヘッドコーチ(HC)が、明日の第6戦を前に会見を行なった。

 シリーズはここまで第4、5戦で連勝したウォリアーズが3勝2敗とし、2018年以来のチャンピオンシップ獲得へ王手。第6戦はセルティックスのホーム、TDガーデンで開催される。

 第4戦ではステフィン・カリーが7本の3ポイント成功を含む43得点に10リバウンド、4アシストの超絶パフォーマンスでウォリアーズを勝利へ導いた一方、アンドリュー・ウィギンズの活躍も見逃せない。27歳のフォワードは17得点にキャリアハイの16リバウンドを奪い、両軍最多の43分25秒もコートに立ち続けた。

 さらに続く第5戦では、いずれもチームトップとなる26得点、13リバウンドの大暴れを見せ、2戦連続のダブルダブル。カリーが3ポイント9本をすべてミスするなど16得点、8アシストに終わるなか、ペイントアタックやミドルジャンパーを効果的に沈め、勝利の立役者となった。
  スティーブ・カーHCは「我々は、彼のアスレティシズムとディフェンス、万能性を必要としていた。まさかこれほどの貢献を見せてくれるとは思っていなかったけどね」とウィギンズを絶賛。さらにこう続ける。

「でもね。私はこれがほとんどのNBA選手への合図だと思っている。どんな選手にも、彼らにとって打ってつけの場所(チーム)、適切なチームメイトたちが必要なんだとね。ウィグズ(ウィギンズ)は見事にフィットしているよ」

 エースのカリーも「もう見事だね。(2014年の)ドラフト1位指名とか皆が彼に望んでいたこととか、最初の6年間で起きたストーリーや比較はこの際取っ払おうよ」と切り出し、ウィギンズの貢献を称える。

「僕らが彼をここに連れてきたことにはワケがある。トレードで獲得した背景にはちゃんとした意味があるんだ。彼には得点力、身体能力、ディフェンスのポテンシャルがあり、このレベルでも存分に発揮できるだろうという大きな期待を寄せていた。それがこのチームを一段階引き上げるんだとね」 2020年2月。ウォリアーズは前年のオフにブルックリン・ネッツとのサイン&トレードで獲得したディアンジェロ・ラッセルを絡めたトレードで、ミネソタ・ティンバーウルブズからウィギンズを獲得。同年はカリーの離脱などもあって下位に沈んだが、ウィギンズはそこからチームにフィットする道を探っていった。

 そして在籍3シーズン目を迎えた今季は平均17.2点、4.5リバウンド、2.2アシスト、1.04スティールをマーク。自身初のオールスター出場をスターターで飾り、攻守兼備のオールラウンダーとして飛躍を遂げた。カリーは言う。

「バスケットへアタックしたり、スペースを作り出して1対1からいいショットを決めてウィグズが輝くと、(試合の)流れが僕らへと傾くんだ。彼がこのチームにうまくフィットしていることには理由があるのさ。コートの両エンドでゲームに明確な方法でインパクトをもたらすことができる。特にオフェンス面は顕著だね」
  多士済々のウォリアーズで最も厳しいマークに遭っているのがカリーなのは言うまでもないが、その脇で効果的に加点するウィギンズの存在も光る今プレーオフ。ディフェンスでも相手のトップスコアラーをガードしつつ、相手のセカンドチャンスを潰すリバウンドを着実に奪うなど、その貢献度は絶大だ。

「今シーズン、彼はオールスターのスターターにもなった。プレーオフの最も輝かしい舞台でも躍動している。彼がどれほど楽しんでいるかは見ていて分かるはずさ」と、カリーは大舞台で輝きを増すウィギンズへの称賛を惜しまない。

 カリーだけでなく、クレイ・トンプソン、ドレイモンド・グリーンのサポートもあり、同時に彼らからの挑戦も引き受けて活躍を続けるウィギンズ。3度の優勝経験を誇るベテランたちに背中を押され、その期待に見事応えていると言えるだろう。

 16日に行なわれるシリーズ第6戦は、ウィギンズやジョーダン・プール、ゲイリー・ペイトン二世といった選手たちにとっては初のNBA制覇をかけたビッグゲームとなるだけに、ベテラン勢の後押しを受ける彼らがどれだけ活躍できるかが鍵になりそうだ。

文●秋山裕之(フリーライター)