四大大会で7度の優勝を誇る男子テニス元世界ランク1位のジョン・マッケンロー氏(アメリカ/63歳)がニューヨークのタブロイド紙『New York Daily News』のインタビューに登場。依然としてメンタルが不安視される女子テニスの大坂なおみ(世界43位)へ向けて心配の言葉を寄せた。

 大坂と言えば昨年の全仏オープンでの「記者会見ボイコット宣言」が世界規模で物議を醸したことが記憶に新しい。メディアに対して反感を示した彼女は同時にグランドスラム初優勝を飾った2018年の全米オープン以降、長らく心の病を抱えていたことを告白した。そしてこの出来事をきっかけに米女子体操界のスターとして知られるシモーネ・バイルズをはじめ、精神的なストレスに悩まされてきたことを公にするアスリートが多くの競技で増えたのは事実だ。

 大坂をめぐる一連の騒動が発端となった形でアスリートのメンタルヘルスが各方面で取り上げられるようになったことについてマッケンロー氏は「今に始まったことではない。それは私が現役だった時代よりずっと前から始まっていた」としつつも、「そういったトピックがよりオープンに語られるようになったのは色々な意味で健全なことだと思う」とコメント。

 だが一方で記者会見をボイコットするという大胆な行動に出た大坂についてマッケンロー氏は「私は心配している」と発言。そう考える理由として同氏は「(全仏の件がきっかけとなって)彼女の注目度が高くなった」と前置きした上で、次のように説明した。
 「彼女はメディアと対峙することが正しいと思って信じられないようなことをした。新聞やテレビがナオミにフォーカスするようになったことで、彼女が望んでいたものとは正反対の結果になってしまう。だから今に至っては“今日はどうしているのか、明日はどうするのか、ウインブルドンには行くのか”などと聞かれてしまうんだ」

 だからこそマッケンロー氏は「我々には必要な人材だ」と考える大坂が徐々にメディアや周りの人々の評価に配慮する様子を見せつつあることについて、「最初は自分が納得するためにやっていたことが、今は自信がないのだろう。(逆に)それが残念でならない。大きなお世話だよ。しかしながら状況は複雑だ」と述べた。

 なお芝シーズンに入ってから大会に出場していなかった大坂は現地6月18日に自身のSNSを通じて出場を予定していた「ウインブルドン」(6月27日〜7月10日/イギリス・ロンドン/芝/グランドスラム)の欠場を表明。出場辞退を決断した経緯については「痛めていた左アキレス腱の状態が万全ではないため」と綴った。

文●中村光佑

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