レンタルプレーヤーとしての3シーズン目を終え、来季の去就が注目される久保建英。新天地候補としてレアル・ソシエダの名乗りを上げたと、各国メディアで報じられ、その可能性について様々な憶測が流れている。

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 所有元であるレアル・マドリーのEU圏外枠がヴィニシウス・ジュニオール、エデル・ミリトン、ロドリゴで占められている現状で久保に与えられた選択肢は、レンタルの継続、もしくは他クラブへの完全移籍のいずれか。「ラ・レアル」呼ばれるこのバスクのクラブについては、両方の可能性が囁かれている。

 イマノル・アルグアシル監督率いるソシエダは、良質な攻撃サッカーをウリにし、この数シーズンはラ・リーガで上位を維持。それに伴って欧州カップ戦の常連ともなっており、マドリーが久保のレンタル先として臨む条件を満たしているといわれる。
   また、ポルトゥ、アドナン・ヤヌザイを放出したことで、ソシエダ自体がウイングの補強を急務としており、「クボのレベル、進歩の度合い、将来性を評価し、この先、その才能を開花させて素晴らしい選手になると確信している」(マドリードのスポーツ紙『AS』より)というロベルト・オラベSDが「3度目のアタック」に乗り出しているようだ。

 これだけ見れば、久保、マドリー、ソシエダの三者にとって理想の取引となりそうだが、マドリーの専門メディア『Defensa Central』は、「アルグアシルのチームがクボを買い取りたいと考えている一方、マドリーが望むのは1年間のレンタルだけ」と、希望する契約形態の違いを指摘している。

 マドリー側としては「カルロ・アンチェロッティ監督が特に好きなタイプ」である日本人選手を、完全に手放したくないという意思の表われであろう。

 にもかかわらず、同メディアは「多くの候補となるクラブがあるなかで、ソシエダは日本人若手選手がキャリアを継続するうえでの、次なるクラブとなりそうだ」と予想。「マドリー復帰を望むクボだが、ソシエダのプレースタイルが彼の特性を活かし、強化してくれるということで、非常に魅力的なオプションと捉えている」と、本人の希望がバスク行きを加速すると指摘した。「今は定期的にプレーすることが必要とされるも、ビジャレアル、ヘタフェ、マジョルカでは、当初の予定通りに事が進まなかったクボ。それでも、2024年までマドリーと契約を結んでいる彼は、自身のキャリアに大きな自信を持っている」

 同メディアはそう綴ったが、そんな彼も、来季こそ自身の力をフルに発揮できる環境を求めているということか。

 バルセロナのスポーツ紙『MUNDO DEPORTIVO』も、かつてバルセロナの下部組織で育った日本人選手の去就に言及し、ソシエダからの強い関心を報じるとともに、「マドリーが望んでいるレンタルの継続は、効果的でなく、クボのキャリアやマドリーにおける彼の状況を膠着させてしまう恐れがある」と主張している。

 こういった状況により、買い取りオプションを含めた1年間のレンタル契約で、さらにマドリーが買い戻しオプションを求めるのではないかとの推測もある、ただ、互いの久保への評価などを考えると、『AS』紙が「簡単な交渉とはならない」と予想するとおり、決定までに時間を要する可能性もある。
   前述したチーム状況に加え、平均年齢25歳6か月という若いチームならではの良い雰囲気のなか、久保が輝く機会を得られやすいとの見方、そしてダビド・シルバという実績豊富なベテランから多くのものを得られるという理由で、スペイン国内メディアの中には最適の移籍先として推奨する声が少なくない。その一方、過去2シーズンの結果から悲観的な展望を示す声も存在する。

 久保については、まだ21歳という一方で、これまでの3つのレンタル先で明確な成功を収められなかったという厳しい見方もあり、新シーズンは彼のキャリア形成においても重要な1年となるかもしれない。多くの思惑が渦巻く中で、どのような決断が下されるのかが注目される。

構成●THE DIGEST編集部

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