テニスファン大注目の「次期王者候補対決」は、イタリアテニス界の新鋭に軍配が上がった。

 現地7月3日に行なわれたテニス四大大会「ウインブルドン」の男子シングルス4回戦で、20歳のヤニック・シナー(イタリア/世界ランク13位)と今季だけでツアー4勝を挙げている19歳のカルロス・アルカラス(スペイン/同7位)による超好カードが実現。試合はシナーが6−1、6−4、6−7(8)、6−3でアルカラスを下し、同大会初のベスト8進出を果たした。

 両者は昨年11月の「ロレックス・パリ・マスターズ」(フランス・パリ/インドアハード/ATP1000)2回戦で1度対戦しており、この時はアルカラスがストレートで勝利していた。

 だがこの日はリベンジに挑むシナーが試合序盤から度々強烈なリターンを叩きこむなど素晴らしいプレーを披露し、第3ゲームから5ゲームを連取して第1セットを先取。これで勢いに乗ったシナーは第2セットも第1ゲームで早々にブレークを奪い、そのリードを守り切って早くも2セットアップとする。

 第3セットは互いにサービスキープが続く拮抗した展開となり、両者一歩も譲らないままタイブレークに突入。一時はマッチポイントを2本握ったシナーだったが、ここを取り切れずに逆転で第3セットを落としてしまう。

 迎えた第4セットでは幾度となくブレークのピンチを凌いだシナーが第4ゲームで値千金のブレークに成功。苦しみながらもサービング・フォー・ザ・マッチとなった第9ゲームをキープし、3時間35分にも及ぶ激戦に終止符を打った。
  聖地ウインブルドンで自身3度目となるグランドスラム8強入りを決めた20歳は「芝ではあまりいいプレーができていなかった」ことから、大会開幕前は「あまり自分には期待していなかった」という。

 そんな中で「試合を重ねるごとに良くなっている」と自身の成長を喜んだシナーは「このウインブルドンで初戦を突破し、そして今は準々決勝に進出したんだ。今日の試合では自分自身で適応しようとしたし、観客の声援も助けてくれたと思う。自分のプレーに満足しているし、次のラウンドに進出できてとてもうれしいよ」と納得の表情を浮かべながらコメントした。

「とてもいい人で、非常にタフな相手だ」と称するアルカラスとのタフなバトルを乗り越えたシナーの準々決勝の相手はウインブルドン4連覇中の元世界王者、ノバク・ジョコビッチ(セルビア/現3位)だ。

 グランドスラム初優勝に向けて大きな壁が立ちはだかるが、インタビューの最後でシナーは「彼はとても堅実なプレーをしていて、タフな試合になることは間違いないけど、自分のベストを尽くすようにする。僕にできるのはそれくらいだ。コート上でのすべての瞬間を楽しみたいと思う」と次戦に向けての意気込みを示した。ベスト4進出が懸かるジョコビッチとの大一番でシナーがどんなプレーを見せてくれるのか期待したいところだ。

文●中村光佑

【PHOTO】シナー、アルカラスらウインブルドン2022で活躍している男子選手たちの厳選写真を公開!