F1第10戦のイギリス・グランプリは7月3日に決勝が行なわれ、アルファタウリの角田裕毅は14位に終わった。

 アップデートが持ち越しとなり、チーム、ドライバーともに厳しい週末を予想していた中で、予選では「予想外」のQ2進出を果たし、13番グリッドで決勝を迎えた角田は、スタートに失敗し、さらに前方の多重クラッシュの中でウォールに当たって横滑りしてきたアレクサンダー・アルボンのウィリアムズと接触してフロントウイングを損傷。しかし、赤旗中断となったことでピットに戻って修理し、再スタートに臨むことができた。
【F1】ガスリーの真の狙いはマクラーレン「リカルドのシート」? アルファタウリと契約延長で、角田裕毅の去就に影響は!? レース再開後はソフトタイヤを履いて積極的に仕掛け、順位を大幅に上げて(一時は7番手まで浮上)ポイント圏内を走行していたが、11周目のターン3、前方を走るチームメイトのピエール・ガスリーを抜こうとインに飛び込んだところでスピンを喫して接触、ともにコースアウトしてしまう。その後、5秒のタイムペナルティを受けた角田は、ペースが上がらないまま、完走した中では最下位の14位でレースを終えた。

 ペナルティポイント2(現時点での通算は8)も科せられた21歳は、チームの公式サイトを通して、「困難な1日になりました」とこの日曜日を回想。スタート直後のアクシデントについては「避けることは完全に不可能であり、何もできることはありませんでした。ただ、幸運にもフロントウイングにダメージを受けただけだったので、赤旗中断中にピットに戻り、再開後もレースを続けることができました」と語り、その後に起こったことを以下のように明かしている。

「残念ながら、後にピエールと接触してしまいました。後で確認する必要がありますが、現時点では、彼を追い抜くために別のチャンスを待つことができたはずだと思います。コーナーに入る時のスピードは良く、うまくいくと思いましたが、ピエールがまさかドアを閉めるとは思いませんでした。これは僕のミスです。何より、チームに謝罪したいです。その後は車にダメージを負ったことでドライビングが難しくなり、レースは非常に難しいものとなってしまいました」

 また、レース後のF1公式サイト『F1.com』のインタビューでは「間違いなく、チームメイトとのクラッシュは避けられるものでした。これについては、あまり話したくありません。とにかくチームには申し訳ないと思います」と語るも、その場面の状況を「あまりスペースがありませんでした。我々は競争をしていたので、彼はできるだけスペースを与えたくなかったのだと思います」と説明した。
  一方、自身のSNSでは「まず何より、ジョウ・グァンユ(アルファロメオ)とアレックス・アルボンが無事だったことが本当に嬉しいです」とスタート直後に大クラッシュを喫した2選手に言及した後、「ピエールとの衝突については、チーム、ファクトリーのスタッフ、ファン、そして特にピエールに対して、とても申し訳なく思っています。これは完全に僕のミスです。オーストリア(次週のオーストリアGP)には、より強くなって復活します」とのメッセージが投稿されている。
  そんな彼に対し、アルファタウリのテクニカルディレクターであるジョディ・エッギントンは「ポイント獲得のためにチームやドライバーが一生懸命に働いた週末に、その可能性を捨て去ったことに対しては非常に苛立っている」「ユウキの動きはベストなものではなく、避けるべきものだった。我々はこれについて、話し合う必要がある」とのコメントを残した。

 アルファタウリはSNSでも「シルバーストーンでは我々の日ではなかった」「有望なスタートを切った後のタフな1日」と失望を露にし、接触直後には「これについては話したくない」と投稿したが、ファンからは、角田に対する不満だけでなく、彼よりペースが遅かったガスリーが譲るべきだったという意見、そして何よりも両ドライバーをコントロールできなかったチームやそのストラテジストに対する批判が多く寄せられている。

 ただ、直接的にアクシデントを引き起こすことになった角田に対するメディアの見方は厳しく、なかでも英国のモータースポーツ専門サイト『THE RACE』は「モントリオールでのピット出口でのコースアウトの後、シルバーストーンでは自身と同僚のレースを破壊。少なくとも、この不器用な動きまで、アルファタウリは少なくとも7、8位でフィニッシュすることが有望だった」と綴り、以下のように厳しく続けた。

「希望に満ちている角田のキャリアについて懸念する時期はもう終わったと思っていたが、それは時期尚早だった。レッドブルは2023年に向けて角田の代役を見つけてはいないかもしれないが、もし彼が今後、これまでのより改善されたバージョンに戻ることなく、最近の悪い傾向を続けるのであれば、別の誰かを採用することも考えるだろう」
  イタリアの自動車専門サイト『MOTORIONLINE』は「ファエンツァのチームにとっては、台無しにされた新たなレース。掴みかけていたポイントがその手から滑り落ちた」と報じ、フランスのモータースポーツ専門サイト『AUTO hebdo』は「角田の接触が、貴重なポイントを獲得していたはずのガスリーの希望を打ち砕いた」、『Motorsport NEXTGEN-AUTO.com』も「日本人ドライバーは楽観的な追い越しでチームメイトのレースを奪い、チームの期待を終わらせた」と、それぞれ綴っている。
  このレースでは、レッドブルのマックス・フェルスタッペンが力強く首位争いを展開していた中、突然マシントラブルで競争力を失い、7位に終わっているが、同チームのクリスチャン・ホーナー代表は、アルファタウリ勢の接触によって生じたデブリがマックスの車のフロアにダメージを与えたことで「ダウンフォースが20%ほど失われた」と指摘。姉妹チームにも負の影響を与えてしまったとすれば、より角田にとっては辛い話だろう……。

 ガスリーはこの件について「不必要な接触であり、結果には失望している。チーム内で話し合う必要がある」とレース後に語っていたが、ここでアルファタウリはチームに内にわだかまりを残すことなく、より強固な集団となって、これまでに失ったポイントを残りのレースで取り返すことができるだろうか。

構成●THE DIGEST編集部
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