いよいよ大詰めを迎えているテニス四大大会「ウインブルドン」。現地7月3日には開場100周年を迎えたセンターコートで記念式典が行なわれ、同大会の歴代優勝者が一堂に会した。そして優勝回数順に並んだ往年のレジェンドたちの中には、現在右ヒザのケガで長らく戦列を離れている元世界王者のロジャー・フェデラー(スイス/現97位)の姿もあった。

 ウインブルドン最多の8度の優勝を誇るフェデラーが最後に登場すると、会場からはひときわ大きな歓声と拍手が上がった。故ウイリアム・レンショー氏と同じ7度優勝のピート・サンプラス氏はセレモニーを欠席したため、フェデラーは6度優勝のノバク・ジョコビッチ(セルビア/3位)と並ぶ形に。その際、何やらジョコビッチがフェデラーに耳元で話しかける場面が見られ、ファンの興味を引いていた。

 長年にわたってコート上でしのぎを削ってきたフェデラーへどんな言葉をかけたのか。現地7月5日に行なわれた男子シングルス準々決勝でヤニック・シナー(イタリア/13位)に勝利したジョコビッチは、試合後の記者会見でその内容についてこう明かした。
 「僕は彼(フェデラー)が多くの人々に愛されていること、またとても暖かく迎え入れられていること、そして僕たち2人が少なくとももう1度一緒にプレーするために、彼がまた戻ってくる必要があることを伝えたんだ」

 またジョコビッチは「僕のキャリアで最大のライバルの1人だ」と称するフェデラーが記念式典に姿を現したことについて「僕たちは皆、それがどれだけ特別なことだったかを目の当たりにした。彼がセンターコートに入った時、会場のみんなが立ち上がって、彼への愛と敬意を示していた」とコメント。

 一方で「彼がトーナメントに参加していないのは奇妙な感じがする」と今大会のライバルの欠場に複雑な心境を明かしもする。「彼のような選手ができるだけ多くプレーすることは、スポーツにとってとても重要なことだと思う」と、改めてフェデラーがテニス界で圧倒的な存在感を放っていることを強調した。

 今年8月に41歳を迎えるフェデラーは、右ヒザの回復具合次第ではあるものの、自身が運営する9月の男子団体戦「レーバーカップ」(イギリス・ロンドン/9月23日〜25日)で復帰を予定している。ジョコビッチの言葉通り、来季こそはフェデラーが聖地ウインブルドンで輝きを放つところを見たいものだ。

文●中村光佑

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