現地時間7月9日、アンドレ・イグダーラとエバン・ターナーの仲良しコンビがホストを務めるポッドキャスト番組『Point Forward』の最新エピソードが公開され、昨季ゴールデンステイト・ウォリアーズでNBAチャンピオンとなったアンドリュー・ウィギンズがゲストとして出演した。

 イグダーラは2013年から19年までの6シーズンをウォリアーズでプレーし、主にシックスマンとして5度のNBAファイナル進出と3度の優勝(15、17、18年)に貢献。15年にはファイナルMVPを獲得した。

 ウィギンズは20年2月のトレードでミネソタ・ティンバーウルブズから加入。昨季イグダーラが3シーズンぶりにウォリアーズへ復帰したことで、両者はチームメイトに。今年1月に38歳となったイグダーラは、若手とベテランをつなぐ橋渡し役兼アシスタントコーチのような役割を担って自身4度目の王座獲得、ウィギンズはスターターの一角として攻守両面で貢献してキャリア初のチャンピオンに輝いた。
  ウォリアーズはレギュラーシーズンをウエスタン・カンファレンス3位の53勝29敗(勝率64.6%)で終えると、プレーオフでは1回戦でデンバー・ナゲッツを4勝1敗、カンファレンス準決勝ではメンフィス・グリズリーズを4勝2敗、カンファレンス決勝ではダラス・マーベリックスを5戦で退けてファイナル進出。

 ボストン・セルティックスとのNBAファイナルでは第3戦を終えて1勝2敗と劣勢だったものの、第4戦から相手を100点未満に抑え込み、4勝2敗で王座奪還を果たした。

 決して楽な戦いではなかったシリーズのなか、王手をかけて迎えた敵地TDガーデンでの第6戦へ臨むにあたり、イグダーラはチーム全体の状態を観察していたという。

「あの試合前の練習で私は君に聞いたんだ。それはチームの士気を確かめるためだった。このチームには皆の内面に士気が潜んでいて、それが本物なのかをチェックしようとしたからなんだ。私は皆の状態を知っておかなきゃいけないと思ってね」

 ステフィン・カリーやクレイ・トンプソン、ドレイモンド・グリーンといった主軸からスティーブ・カーHC(ヘッドコーチ)まで絶大な信頼を得るイグダーラは、優勝を決める重要な一戦に向けて勝利のカギを握るウィギンズへこう尋ねたと明かした。

「私は君にこう聞いたよね。『ウィグズ、私はこのチームが明日勝たなければいけないと思う』と。すると君は私へ『僕らは明日勝たなければいけません』と言った。エバンにはすでにこう話していたんだ。『ウィグズがそう言ってくれて、私はそう、このチームはいいムードだな』と思えたんだ」 このシリーズで平均31.2点、6.0リバウンド、5.0アシスト、2.0スティールをあげ、満場一致のファイナルMVPに輝いたカリーが優勝の立役者なのは言うまでもない。

 だがウィギンズの活躍なしにセルティックス撃破がなし得なかったのも事実。第4戦で17得点にキャリアハイの16リバウンド、第5戦では26得点、13リバウンドと2戦続けてダブルダブルをマーク。そして第6戦では18得点、6リバウンド、5アシスト、4スティール、3ブロックと、八面六臂の活躍を披露した。
 「あと1試合なのは分かっていた。あと1勝だったんだ。あと1回勝利すれば、自分のことをチャンピオンと呼ぶことができる。だからその妨げになってたまるかという思いだった」

 そう振り返ったウィギンズは、見事なチームプレーヤーとなってウォリアーズの優勝を大きく後押し。今季も2連覇を狙うチームで重要な役割をこなすこととなる。

 一方のイグダーラは現在フリーエージェント(FA)となっていて、来季の所属先は未定。ウォリアーズは今夏のFA戦線でオットー・ポーターJr.(→トロント・ラプターズ)やゲイリー・ペイトン二世(→ポートランド・トレイルブレイザーズ)といった優勝メンバーが退団しただけに、イグダーラにはぜひとも戻ってきてほしいというのが選手たちやコーチ陣の思いではないだろうか。

文●秋山裕之(フリーライター)