昨季、ウエスタン・カンファレンス2位の56勝26敗(勝率68.3%)という好成績を収めたメンフィス・グリズリーズ。プレーオフではカンファレンス準決勝で同年王者ウォリアーズの前に敗れたものの、開幕前の予想を大きく上回る快進撃を見せたと言っていいだろう。

 そのウォリアーズとのシリーズ、エースのジャ・モラントは第3戦まで平均38.3点、6.7リバウンド、8.3アシスト、3.0スティールと大暴れ。以降は右ヒザの骨挫傷により戦線離脱したものの、ウォリアーズにとって脅威となっていたのは間違いない。

 現地時間7月10日(日本時間11日、日付は以下同)に公開された『Bleacher Report』のテイラー・ルックスとのインタビューで、モラントはこのウォリアーズとの激闘について回想。シリーズを終えた後、ステフィン・カリー、クレイ・トンプソン、ドレイモンド・グリーンの“ビッグ3”と言葉を交わしたことを明かした。
 「シリーズに負けたあと、僕は彼らへ言ったんだ。『ステフ、クレイ、ドレイモンドにとって、新たなリングを手にする時が来た気がする』とね。そしたら彼らも同じように『俺たちは戻ってきたんだ。また対戦することになるだろうな。この先の数年間、きっと楽しくなるさ』と言ってきた。でも僕らはみんな競争者。だから自分たちはこのリーグでできる限りベストになって、チャンピオンシップを勝ち取るために戦っているのさ」

 そのモラントの言葉通り、グリズリーズとのシリーズを制したウォリアーズは、カンファレンス・ファイナルでダラス・マーベリックスを4勝1敗で下し、NBAファイナルではボストン・セルティックスを4勝2敗で撃破。この8年間で4度目の王座に就き、トリオ結成10年目のカリー、トンプソン、グリーンの3本柱、そしてアンドレ・イグダーラは、レブロン・ジェームズ(ロサンゼルス・レイカーズ)と並び現役最多タイとなる4個目のチャンピオンリングを勝ち取った。

 もっとも、プレーオフ敗退後も頻繁にSNSを更新していたモラントは、セルティックスとウォリアーズによる頂上決戦の勝者を選べなかったという。
 「実はあのシリーズを終えたあと、一体どこがチャンピオンシップを勝ち取るのかわからなかったんだ。そこで、ゴールデンステイトがここ数年、支配してきたと思ってね。コアメンバーであるあの3人が揃って戻ってきて、僕らと戦った。彼らの持つ経験を見ることができたんだ。でも僕はセルティックスのファンでもあった。だからどっちが勝つかを選べなかったのさ。僕はただ、『第7戦が観たい。どっちが勝ってもいいから』って感じだったよ」
  今オフのFA(フリーエージェント)戦線で、優勝メンバーが複数移籍したウォリアーズは戦力がダウン。逆にセルティックスは主力をキープした上、マルコム・ブログドンとダニーロ・ガリナーリを加えたことで、両チームの差は縮まったと見ることもできる。

 だが、ウォリアーズもコアメンバーは健在で、彼らにフィットする選手たちを周囲に据えてケミストリーを作り上げることができれば、優勝候補となるのは間違いない。今季の覇権争いの行方が今から楽しみだ。

文●秋山裕之(フリーライター)

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