男子テニスツアー「ノルデア・オープン」(7月11日〜17日/スウェーデン・バスタード/クレーコート/ATP250)は現地7月12日にシングルス1回戦が行なわれ、ケガからの完全復活を目指す元世界3位のドミニク・ティーム(オーストリア/現339位)が登場。エミル・ルースブオリ(フィンランド/43位)を3−6、6−1、7−6(5)の逆転で下し、実に426日ぶりとなるツアー大会での勝利を飾った。

 2020年9月の全米オープンでグランドスラム初優勝を飾ったティームは、昨年6月のマヨルカ選手権で右手首を負傷。紆余曲折を経て今年3月末にスペイン・マルベージャで行なわれたチャレンジャー(下部大会)でカムバックを果たしたものの、なかなか勝ちに恵まれない日々が続いていた。

 先週のテニス四大大会「ウインブルドン」と同時期に母国で開催されたチャレンジャー大会「ザルツブルグ・オープン」でようやく復帰後初勝利を挙げたティーム。だがプレーの感覚が戻りつつあるなかで迎えたこの日のルースブオリとの1回戦は、チャンスボールでミスを連発するなど精彩を欠き、2度のブレークを喫して第1セットを落としてしまう。

 それでも第2セットに入るとティームは徐々にリズムをつかみ、粘りのディフェンスでルースブオリのミスを誘って第3ゲームから5ゲームを連取。ファイナルセットは互いに2度ブレークする拮抗した展開となり、勝負の行方はタイブレークへ。マッチポイントでの相手のダブルフォールトを含め3つのミニブレークを奪ったティームが、2時間40分の接戦をものにした。
  つらい時期を乗り越え、昨年5月のイタリア国際(イタリア・ローマ/クレーコート/ATP1000)以来約1年2か月ぶりとなる待望の勝利をつかんだ28歳のティーム。試合後のオンコートインタビューでは「難しい試合だったし、スタートはあまり良くなかった」と振り返りつつも、素直に喜びを表現した。

「長い時間だった。最後の勝利は2021年のローマだから、何だか違う世界のように感じるよ。これまでに多くのことを経験した。タフだったけど、僕の人生の中でもとてもいい経験になったと思う。今日ここで(復帰後)初勝利を挙げられて本当にうれしい」

 一方で「負けが続いていて、勝ちが少なかったから、試合を終わらせるのはとても難しかった。今日の試合の第2、第3セットはかなりいいプレーができたのにね。特に最後の方になると、もう少しメンタルをコントロールしないといけない」とも語り、プレー面ではなお課題があると感じているようだ。

 次の2回戦でティームは第4シードのロベルト・バウティスタアグート(スペイン/40位)と対戦する。ここからさらに勝ちを積み重ねていくことはできるのか、多くのファンから注目が集まりそうだ。

文●中村光佑

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