今年のテニス四大大会「ウインブルドン」男子決勝は、第1シードのノバク・ジョコビッチ(セルビア/世界ランク3位)にノーシードのニック・キリオス(オーストラリア/同40位)が挑み、4−6、6−3、6−4、7−6でジョコビッチが大会4連覇を達成した。

 この決勝で注目を集めたのは、テニス界の悪童と言われるキリオスだった。

 天才的なプレーを披露する一方で、感情表現がストレートでコート上でもお構いなしに悪態をつく彼にとっては、初めてのグランドスラム決勝。ゆえにどんな戦いを見せるかは世界から熱視線を向けられた。

 第1セットはキリオスの武器であるサービスが威力を発揮し、得意の速いテンポでの攻撃が決まっていく。しかし、第2セットのジョコビッチのサービング・フォー・ザ・セットで、キリオスが4本ブレークポイントを握るも生かせずにセットを落としてしまう。すると、ベンチに座っている間、彼は陣営に向かって大声で叫び続けた。

 その後も、観客の声にイライラを募らせ、自身の攻撃が思うように決まらなくなると、コートでも感情をあらわに。冷静さを保ち続けるジョコビッチがペースを握り、キリオスは挽回できずに準優勝に終わった。
  この試合中のキリオスの態度やプレーについて苦言を呈したのが、ラファエル・ナダルの叔父で、現在はフェリックス・オジェ-アリアシムのコーチを務めるトニ・ナダル氏だ。スペインの日刊紙『El Pais』の取材に語っている。

「決定的な場面で彼は不安をコントロールすることができず、自分にとって好ましくなスコアになったことをチームのせいであるかのように非難した」とキリオスの態度を糾弾。試合内容については、「彼は攻撃を維持するための忍耐力に欠けていた。彼は悪いポジションで多くのボールを打っている。しかし、現在のテニスはボールのスピードが速いため、ボールをコントロールするには良いポジションに入る必要がある」と、良いポジションに入ることを意識していない点について言及した。

「ボールをどうするかではなく、どうしたいかという彼の考え方はハンディキャップになる。ポイントを取るために必要なことを継続するということが彼にとってはとても難しいことだろう。しかし、テニスは華やかさよりも継続性のスポーツなんだ」と、今後結果を出し続けるのは難しいとの見解を示した。

 確かにキリオスは思いもしない場所や体勢からスーパーショットを放つ。それが彼の魅力ではある。しかし、彼が第1セットで見せた攻撃力が続かなかったことも事実だ。決勝後の会見では、テニスに対するモチベーションが高まっていると話していたキリオス。今後、どんな成長を見せてくれるのか、そのままのスタイルで突き進むのか、注目していきたい。

構成●スマッシュ編集部

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