昨季4年ぶり通算7度目のNBAチャンピオンとなったゴールデンステイト・ウォリアーズで、フランチャイズプレーヤーとして君臨するステフィン・カリーは、34歳となった今もなおリーグ最高級の選手として活躍を続けている。

 一昨季にはキャリアハイの平均32.0点をマークし、2015−16シーズン(同30.1点)に続いて自身2度目の得点王に輝いた。当時33歳のカリーは、1997−98シーズンに同28.7点を稼いだマイケル・ジョーダン(元シカゴ・ブルズほか/当時35歳)以来、最も年齢を重ねたスコアリングリーダーとなった。

 キャリア13シーズン目となった昨季。カリーはオールスターゲームで16本の長距離砲を沈めて50得点を叩き出してMVPに輝くと、プレーオフでも猛威を振るい、自身4度目の優勝と初のファイナルMVPを獲得。

 これまでのキャリアで足首や左手の骨折、足の捻挫などで長期欠場するシーズンもあったが、依然としてトップレベルをキープしていることは称賛に値する。

 現地時間7月15日に米メディア『SiriusXM NBA Radio』へ出演したレジェンドのスコッティ・ピッペンは、カリーをレブロン・ジェームズ(ロサンゼルス・レイカーズ)になぞらえてこう評していた。
 「彼が一体どこまで行くのか、私には分からないね。私はレブロンのこともよく見ているんだが、彼がこの先どこまでやっていけるのかも分からない。(ステフは)いくつかの点でミニ・レブロンだね」

 ピッペンはNBAで17シーズンをプレーし、ブルズで6度の優勝を達成したオールラウンダー。201cmのスモールフォワードはキャリアで平均16.1点、6.4リバウンド、5.2アシスト、2.0スティールと、立派な成績を残してきた。

 しかし、38歳で迎えたキャリア最後の03−04シーズンは相次ぐケガに悩まされ、出場わずか23試合で平均5.9点、3.0リバウンド、2.2アシストに終わっていた。

 一方、昨年12月に37歳を迎えたレブロンは、昨季腹部や足首を痛めて計26試合を欠場したとはいえ、平均30.3点、8.2リバウンド、6.2アシスト、1.3スティール、1.1ブロックを残し、オールスターには18年連続で選ばれ、オールNBA3rdチームにも名を連ねた。

 ピッペンの現役ラストシーズンは今から18年も前のことであり、当時から現代では選手たちのコンディショニングに対する意識やトレーニング施設の充実といった様々な変化がその要因としてあるのだろう。

 だがそれを差し引いても、レブロンがキャリア19シーズン目でも依然としてスーパースターとして君臨していることは脅威でしかない。 206cm・113kgのレブロンと、188㎝・83㎏のカリーはポジションが異なり、実際にマッチアップすればフィジカル面でレブロン優勢なのは明白なのだが、ピッペンはこう指摘する。

「フィジカル面から見れば、彼(カリー)はあのサイズにしては強靭だ。この男なら少なくともあと6年は我々の前でプレーしてくれるさ。しかも彼は史上最高のシューターだからね。もし彼が望むなら、50代になってもプレーできるかもしれないね」

 今後カリーは選手生命を脅かすケガから無縁とは言い切れないものの、依然としてリーグ最高級の実力者であり、自他ともに認めるNBA史上最高のシューターだけに、現役を続けていく限り、コートに立てば3ポイントを恐れて相手チームのマークに遭うことは確実だ。
  カリーは昨季のプレシーズン期間にレブロンについて「できるだけ全盛時を持続させるというビジョンがあるんだ。特にオフシーズンのワークアウトがそれを可能にしていると思うし、どれだけ自分の身体と心をケアしているか、それにコート内外におけるバランスがこの結果に通じているんだと思う」と分析。

 さらに長期間に渡って一線級で活躍していることに「彼はそのスタンダードを作ったんだ」とレブロンを称えており、トップレベルを維持すべく努力している姿が見てとれた。

 現在のカリーはまさにそのことを実践しており、昨季チャンピオンへ返り咲いたことで自らの実力を見事に証明した。

 ピッペンが語ったように、カリーが50代になるまで現役を続けるかどうかは別として、今後数年は一線級でプレーする姿を見せてくれるだろう。

文●秋山裕之(フリーライター)