現地時間7月17日(日本時間18日、日付は以下同)、7日からラスベガスで幕を開けたNBAのサマーリーグは最終日を迎え、チャンピオンシップをかけた試合でポートランド・トレイルブレイザーズがニューヨーク・ニックスを85−77で撃破。2017年以来の頂点に立った。

 なお、この日は6試合が行なわれ、計12チームが今夏のラストゲームを終えた。そのうち1試合は9月30日、10月2日にさいたまスーパーアリーナで開催されるジャパンゲームズで激突するゴールデンステイト・ウォリアーズとワシントン・ウィザーズのカードで、この試合では87−77でウィザーズに軍配が上がっている。

 そしてこの試合中、『ESPN』のNBAアナリストとしての顔を持つニューオリンズ・ペリカンズのCJ・マッカラムが、昨季のファイナルMVPステフィン・カリーをガードすることについて「もの凄くタフ」と口にし、こう話していた。

「彼には様々に身体をぶつけていかないといけない。彼を守ることというのは、1人の人間をガードすることとは違うんだ」
  マッカラムは9年のキャリアを誇るシューティングガード。昨季途中まで在籍していたブレイザーズ時代には、ウォリアーズとプレーオフでも3度対戦したものの、1勝12敗と大幅に負け越している。

 デイミアン・リラードとともにブレイザーズの主軸として活躍してきたマッカラムは、ウォリアーズとのシリーズでいずれも平均20.0点以上を残してきた。だがカリーは全シリーズで平均29.8点以上を叩き出しており、とりわけ2019年のウエスタン・カンファレンス・ファイナルでは平均36.5点、8.3リバウンド、7.3アシストと圧巻のパフォーマンスを披露。スウィープでブレイザーズを撃破する原動力となった。

 言うまでもなく、ウォリアーズのオフェンスはカリーがエンジンとなっている。ボールの有無に関わらず、コート上を走り回りキャッチ&シュート、あるいはボールを持ってから自らのスキルでディフェンダーを交わして相手を仕留めてきた。
  カリーのクイックリリースかつ正確無比なショット、なかでも3ポイントは3点以上の重みがあり、ウォリアーズのホームであれば会場全体の雰囲気を一変させてしまう。そんな34歳のスーパースターをマッカラムは「彼は銀河系で、惑星であり、ソーラーシステム(太陽系)。もうすべてのことが彼を中心に展開されていくのさ」と舌を巻いていた。

 カリーはボールを持っていなくても、走り回ることでディフェンス側の注意を引き、時には2人、3人と引き連れてしまう。そうしてチームメイトたちにスペースを与え、オープンにさせてしまうことから、マッカラムはカリーを他の選手たちとは別格だと評したのだろう。

 今季の連覇を狙うウォリアーズは、オットー・ポーターJr.がトロント・ラプターズへ、ゲイリー・ペイトン二世がブレイザーズへ移籍するなど、昨季の優勝メンバーが複数退団したことで戦力ダウン。だがカリーをはじめ、クレイ・トンプソンにドレイモンド・グリーン、アンドリュー・ウィギンズ、ジョーダン・プール、ケボン・ルーニーというコアメンバーは健在のため、覇権争いに絡んでくるのは間違いないだろう。
  一方のペリカンズは、ブランドン・イングラム、マッカラム、ヨナス・ヴァランチュナスといった主力に加え、2年目を迎えるハーバート・ジョーンズ、トレイ・マーフィー三世、ホセ・アルバラードといった楽しみな若手が揃っている。さらに昨季はケガのため全休したザイオン・ウィリアムソンが戦列復帰することから、プレーイン・トーナメントを制してプレーオフへと勝ち進んだ昨季から確実に戦力アップしたと言っていい。

 ウエストに所属している限り、マッカラムはカリー率いるウォリアーズとレギュラーシーズンで3、4試合こなすことから、今季の開幕に向けて自身が体験したカリーの特徴や恐ろしさ、守り方をペリカンズのチームメイトたちへ伝授していくに違いない。

文●秋山裕之(フリーライター)

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