F1での2年目、開幕戦バーレーン・グランプリでは入賞を果たし、その後も車のパフォーマンスが安定しない中でも、冷静なドライビングを見せるなど、成長ぶりを感じさせていたアルファタウリの角田裕毅だが、このところはミスでポイントを逃したりするなど、良くない面が目立っている。

 豪州グランプリの前には、レッドブルのヘルムート・マルコ顧問が、「無線での罵声など、感情をコントロールできないことが、パフォーマンスを乱している」として、精神面の改善のために心理学者をつけていたことを明かし、これが大きな話題となった。

【関連記事】「私は“問題児”が好きだ」 低調・角田裕毅に対してトスト代表の好印象は変わらず!? レッドブルやホンダからも期待の声が続々! すでに、この取り組みから2か月ほどが過ぎているようだが、角田自身がオランダのF1専門メディア『RN365』に語ったところでは、「これがうまく機能していれば、イギリス・グランプリでのクラッシュ(チームメイトのピエール・ガスリーを追い抜こうとして接触し、ともにスピン)もなかったかもしれない」とシルバーストンでのレースを振り返っている。

「彼(心理学者)が僕についてもう少し知る必要があり、また我々がどういう方向に進みたいのかを確認することも必要なため、もう少し時間はかかるでしょう」と、まだその効果は出ていないと自己判断している22歳の日本人ドライバーだが、これが良い選択だったとも強調する。

「車の中で腹を立ててしまうことが、僕の限界点を生み出す要素のひとつだと思います。安定感を保つためには、その点で自分自身を改善する必要があることは承知しています。心理学者がつくことで物事がうまく機能し、将来的にはより良いパフォーマンスを発揮できればと思います」

 F2時代にも、走行を邪魔された際に大声で喚き散らすことでパフォーマンスを落としたことにより、心理学者とともに感情面のコントロールに取り組み、そこから飛躍的に結果も良くなった経験を持つ角田だけに、これが彼をより良い方向に導くことに大きな期待を寄せているようだ。
  この措置については、オーストリアGP前の合同会見で他のドライバーも言及。ハースのケビン・マグヌッセンは、以前にこのチームでチームメイトだったロマン・グロージャン(現在は米国で活動中)も心理学者の助けを受けていたことを明かし、「改善できるのであれば、チームのスタッフ、友人、そして心理学者など、色々な人々に話すのは良いことなのではないだろうか。必要だと思うことは、何でも試すべきだ」と提言している(英国のF1専門メディア『planetf1』より)。
  また、今季は特に無線でのスタッフとのやりとりが注目を浴びているフェラーリのカルロス・サインツは、感情の起伏について「大事なのはバランスだ。無線で興奮しながら主張することに、害はないと思う。僕がF1で何年もかけて学んだことがあるとすれば、常に興奮と冷静さのバランスをとる方法だろう。それを見つけるには、経験が必要だ」と、持論を語った。

 一方、アルピーヌのエステバン・オコンは、F1に昇格する前に、「様々なエクササイズによって、プレッシャーに対処する方法の習得に取り組んだ」と告白。角田が目標としているレッドブルのマックス・フェルスタッペンは、「(心理面について)今では誰かの助けを受けることはもうない。無線でナーバスになることはあるが、それがパフォーマンスに影響することはない」と、自身はしっかり感情をコントロールできていると強調する。

 その上でマックスは、ドライバーが感情を乱すのは仕方がないという考えも持っており、「それがなくなったら、もはやこのスポーツに関心がなくなった時だろう」と語るとともに、「いつも落ち着いていられるドライバーもいれば、熱くなるドライバーもいる」と、人それぞれであるとも指摘した。

「間違いなく、僕の脳は過剰に熱くなってしまいます」と、自身を分析する角田。そのドライビング能力が高く評価されている彼が、“熱さ”をうまくコントロールすることで逆に大きな武器にすることができれば、より優れたドライバーとして成長を遂げることができるだろう。この取り組みが、どのような効果を生み出すかを見守りたい。

構成●THE DIGEST編集部
【関連記事】英国GPで“同士討ち”の角田裕毅に海外メディアからは酷評&最低採点も…「ルーキーですらボスからカミナリを落とされるミス」

【関連記事】ガスリーの真の狙いはマクラーレン「リカルドのシート」? アルファタウリと契約延長で、角田裕毅の去就に影響は!?

【関連記事】仲を深める“角田裕毅&ガスリー”に「予想だにしなかった友情」と海外メディアも注目! 「ファンも夢中」