右手首のケガからカムバックを果たした男子テニス元世界3位のドミニク・ティーム(オーストリア/現198位)がATP(男子プロテニス協会)のインタビューに登場。ツアー復帰後から苦しい時期を過ごしてきた数か月間を振り返った。

 2020年9月の全米オープンでグランドスラム初優勝を飾ったティームは、昨年6月のマヨルカ選手権で右手首を負傷。紆余曲折を経て今年3月末にスペイン・マルベージャで行なわれたチャレンジャー(下部大会)で復帰したものの、これまでに数々の強敵を打ち破ってきた力強いプレーは鳴りを潜め、なかなか勝ちに恵まれない日々が続いていた。

 それでも地道に努力を続け、先のテニス四大大会「ウインブルドン」と同時期に母国で開催されたチャレンジャー大会「ザルツブルク・オープン」で待望の復帰後初勝利を手にしたティーム。

 先週の「ノルデア・オープン」(スウェーデン・バスタード/クレーコート/ATP250)では1回戦でエミル・ルースブオリ(フィンランド/42位)を逆転で下して実に426日ぶりのツアー大会勝利を飾ると、2回戦では元世界9位のロベルト・バウティスタアグート(スペイン/現19位)をフルセットで撃破。準々決勝では後に準優勝を収めたセバスティアン・バエス(アルゼンチン/32位)に敗れたが、着実に完全復活への歩みを進めている。

 だがティーム本人は本来のプレーを取り戻すまでに相当な時間を要したため、かなりのもどかしさを感じていたという。今回のインタビューでは長らく抱えていた苦悩や葛藤を明かした。

「3、4、5月は決して楽な状況ではなかった。あれだけ連敗していると前向きに考えるのは難しい。自分のプレーが相手のレベルに合っておらず、勝てないとわかっていながら試合に臨んでいた。とても複雑で、精神的にも楽ではなかった」
 「全仏の後、僕はチームと話し合い、状況を好転させるために何をすべきかを分析した。でも試合に負けて5日間猛練習して、次の大会でまた1回戦で負けると複雑な気持ちになる。とても大変だった」

 それでも数々の試練を乗り越えてきた結果、「徐々にパフォーマンスの質が上がってきていることを実感している」と語る。

「物事は正しい方向に進んでいると思う。2週間前のザルツブルク大会は自信をつけるきっかけとなった。1勝して、次のラウンドで惜しくも負けてしまったけど、全仏や他の大会に比べると、かなり良くなったように感じた」

「バスタ―ドでは好調を維持して、トップ50の選手に2勝できたのは大きかったし、とても良かった。自分でも驚いている。もちろん試合に勝てば楽しいし、次の大会への弾みにもなる。このいい感覚を持続させていきたい」

 なおティームは現在出場中の「スイス・オープン」(7月18日〜24日/スイス・グシュタード/クレーコート/ATP250)でユーゴ・ガストン(フランス/59位)との初戦を1−6、6−1、7−6(7)の逆転で突破。日本時間7月21日の17時30分以降に行なわれる2回戦ではフェデリコ・デルボニス(アルゼンチン/125位)と対戦する。

文●中村光佑

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