現地時間7月20日、ゴールデンステイト・ウォリアーズについて語り合うポッドキャスト番組『Light Years』にOBのアンドリュー・ボーガットが出演し、今季復活を目指すジェームズ・ワイズマンについて語った。

 ボーガットは2005年のドラフト全体1位でミルウォーキー・バックスから指名されたオーストラリア出身のビッグマン。12年3月にトレードでウォリアーズへ加入し、計5シーズンをプレー、15年には先発センターとして優勝に貢献した。

 ボーガットが加入した当時、ウォリアーズはステフィン・カリー、クレイ・トンプソンの“スプラッシュ・ブラザーズ”をチームの軸にし始めていたこともあり、バックス時代の平均12.7点、9.3リバウンドから、移籍後は同6.1点、8.1リバウンドとスタッツが下降。それでもベテランとして新たな役割を受け入れ、平均1.66ブロックを記録するなど縁の下の力持ちとしてチームを支えた。

 一方、20年のドラフト全体2位指名のワイズマンは今季が実働2年目。213cm・109kgのサイズに身体能力を兼備するビッグマンは、昨季はヒザのケガのため全休したものの、7月のサマーリーグでは4試合に出場して平均10.5点、5.5リバウンド、2.00ブロックをマークするなど元気な姿を見せた。
  21歳の未来ある後輩に対してボーガットは「若い選手として、ワイズマンは自分自身の立ち位置や役割、出場時間を確立しようとしているところなんだ」と言う。

「育成するためには出場時間が関わってくる。それも多くの出場時間がね。試合終盤にコートに立ち、勝負どころでどうすれば勝てるのかを学んでいくことになる。そこで失敗したり、試合を落としても、そこから学んでいくんだ。私は彼が20分プレーする男になると見ている。あのチームにとって良いピースになれるだろう。だがステフやクレイにはなれない。それがフラストレーションになってしまうかもしれないね」

 ウォリアーズはカリー、トンプソンに加えてドレイモンド・グリーン、アンドリュー・ウィギンズ、ジョーダン・プールら昨季の優勝メンバーが健在。昨季先発センターとして82試合にフル出場したケボン・ルーニーのプレータイムも平均21.1分に過ぎず、グリーンがセンターにスライドしてスモールボールで戦うことも多い。
  さらに今季はオクラホマシティ・サンダーとのバイアウト後にベテランのジャマイカル・グリーンが加入することが確実視されており、ワイズマンのレギュラーは決して確約されていない。

 ボーガットは「ワイズマンにとって、少しフラストレーションを感じることになるだろう」としながら、このように助言する。

「だが勝利を重ねるチームの一員でいられる。あとはドレイモンドやステフ、クレイ、アンドレ(イグダーラ/現FA)といったタフなメンタルを持つ選手たちへ質問して答えてもらい、この環境を乗り越える手助けをしてもらう必要がある」

 ワイズマンのドラフト同期には、ミネソタ・ティンバーウルブズで得点源の一角を務めるアンソニー・エドワーズ、シャーロット・ホーネッツの司令塔として昨季オールスター入りを果たしたラメロ・ボール、フィラデルフィア・セブンティシクサーズで台頭したタイリース・マキシーなど、すでにチームの主軸として活躍する選手も多い。そんななか、ワイズマンは厳しい立場にいると言わざるを得ない。
 「たぶん、彼は代理人や知人たち、家族からは『お前ならもっとできるだろ。あのチームはお前の才能をわかっていない』とか言われているかもね。でもスティーブ・カー(ヘッドコーチ)はこう言うんだ。『いいか。我々は君にそうしろとは求めていない。このチームにはステフ・カリーがいる。そこまでする必要はないんだ』とね」

 ポジションレス・バスケットボールと評される現代NBAのなかでも、ウォリアーズは特殊なチーム。オフェンスではコートにいる全員が動き回り、カリーだけでなくドレイモンド・グリーンがプレーメーカー役を務めて味方の得点機会をお膳立てする。

 センターはオン・オフ問わずに味方へスクリーンをセットしてロール、あるいはカットする連動性が必須。ディフェンスではペリメーターも守ることに加え、リムプロテクター役も求められる。

「若い選手たちにとってはタフなことだ。そこには修正するための手段もない。だからスティーブ・カーがワイズマンを起用していくことはチャレンジになる」

 今季のウォリアーズは、ベテラン陣が健康体をキープすることが連覇へ向けた最大の鍵となるが、ワイズマンをどのようにチームへ溶け込ませていくかもポイントになりそうだ。

文●秋山裕之(フリーライター)