NBAのプレーオフは、レギュラーシーズンを勝ち抜いたチームが王座をかけて争うステージであり、これまで無敗で頂点に立ったチームは皆無だ。

 だが歴史上、“無敗優勝”に限りなく近づいたチームが2つある。それは2017年に16勝1敗(勝率94.1%)で頂点に立ったゴールデンステイト・ウォリアーズ、そして01年に15勝1敗(勝率93.8%)で連覇を達成したロサンゼルス・レイカーズだ。

 当時のウォリアーズは現在も主軸として活躍するステフィン・カリー、クレイ・トンプソン、ドレイモンド・グリーンのビッグ3にケビン・デュラント(現ブルックリン・ネッツ)という歴代最高級のスコアラーを擁し、NBAファイナル第4戦でクリーブランド・キャバリアーズに1敗しただけで、プレーオフを勝ち上がった。

 一方のレイカーズはシャキール・オニール(シャック)、コビー・ブライアントというリーグ史に残るデュオが君臨。その周囲をホーレス・グラントやロバート・オリー、リック・フォックス、ロン・ハーパーといった百戦錬磨のベテラン陣が支え、デレック・フィッシャーが第3の男として台頭した。
  現地時間7月18日に『Complex』へ公開されたインタビューで、カリーは仮想対決になると話しつつも、「当時のウォリアーズとレイカーズが戦ったら」という議題に回答した。

「もし僕らが2001年のレイカーズと対戦したら、間違いなく自分たちが勝てると思う。誰がシャックをガードするのかは分からないけど、僕とクレイを誰がガードできるのかも思い浮かばないね。僕らは手強いからね。それにスリー(ポイント)はツーよりも効果的なのさ」

 216cm・147kgという規格外な肉体にスキルも兼ね備えていたシャックは、文字通りペイントエリアで無双しており、1対1でマッチアップできる選手など皆無と恐れられてきた。

 だがカリーも自身とトンプソンによる“スプラッシュ・ブラザーズ”を、レイカーズが守り切ることができるとは思えないと、挑戦状のように発言した。
  すると21日になってシャックが自身のポッドキャスト番組『The Big Podcast』を更新。「ヤツらは俺をダブルチームしなきゃいけなくなる。そうしないなら、俺はフリースローなしで60得点するぞ」と返してみせた。

 当時のウォリアーズのインサイド陣は、ザザ・パチューリア、ジャベール・マギー(現ダラス・マーベリックス)、デイビッド・ウエストという顔ぶれ。勝負どころではグリーンもセンターを務めていたが、シャック相手ではさすがにサイズ、フィジカルの両面で劣勢なのは明白だ。

 また、シャックはこの仮想対決のキープレーヤーに、185cm・91kgという屈強な身体を駆使した肉弾ディフェンスで鳴らしたフィッシャーを挙げた。

「ここからが俺の反論だ。彼ら(カリーとトンプソン)が絶好調になっても、D-Fish(フィッシャー)が奈落の底へと突き落としていたし、この俺がヤツらを笑いものにしていたさ。俺がそうしたあと、何が起こるかって? ヤツらがスリーを決め続けるか? いや、俺たちはヤツらのスリーに対して毎回正対することで、ドライブするしかなくなる。ドライブするなら俺のことを注意しないといけないよな。そこでこの俺がステフ、クレイ、KD(デュラント)を叩きのめすのさ」
  シャックはそう豪語したが、カリーとトンプソンはスクリーンやカットでディフェンダーのマークから抜け出し、クイックリリースでキャッチ&シュートを沈めることができるほか、ボールを持った状態でもドリブルからプルアップで軽々とゴールを射抜くシュート力を持っている。

 01年当時のリーグにはそういった選手はほとんどおらず、レイカーズがいくらスイッチしてマッチアップを代えたとしても、そう簡単には抑えられないだろう。

 さらに、デュラントには208cmの高さと一際長い腕があり、オリーやフォックス、コビーが正対していても、自身のタイミングでプルアップジャンパーを放り込むことができたのではないだろうか。

 一方、ウォリアーズとしても当時若手だったコビーに対してはトンプソンやデュラント、アンドレ・イグダーラが交代でマッチアップしてある程度抑えることはできても、シャックに対する答えが見つかるとは考えにくい。

 仮想対決の勝敗は誰にも分からない。「スリーはツーよりも効果的」というカリーの意見も頷けるが、大の負けず嫌いでもあるシャックとコビーが解決策を見いだせずに敗れるとも思えないだけに、究極のテーマと言えるだろう。

文●秋山裕之(フリーライター)