西武
48勝42敗2分 勝率.533(2位/0.5ゲーム)
平均得点:3.31(3位)
平均失点:2.99(1位)
得失点差:+30(2位)

▼前半戦通信簿:よくできました
 42年ぶりの最下位に沈んだ昨年から一転、首位に1ゲーム差の2位で前半戦を終えた。2018年から昨年まで、4年連続で防御率リーグワーストだった投手力が見違えるほど改善し、防御率2.51は何とリーグ1位。規定投球回数に達しているのは高橋光成だけでも、エンスが防御率2点台前半、昨年まで通算3勝だった5年目の與座海人もローテーションに定着し、チーム最多の7勝を挙げている。また、5月末から先発に再チャレンジした平井克典も好結果を残している。

 さらにブルペンの安定感はそれ以上で、勝利の方程式を担う平良海馬、水上由伸、増田達至の3人は合計116回を投げ自責点がわずか16点(防御率1.24)。本田圭佑のリリーフ転向もはまり、昨年までの苦労が嘘のようだ。

 その反面、打線は18〜19年の2連覇時に猛威を振るった“山賊打線”の面影はない。74本塁打はリーグトップではあるものの、そのうち約4割の29本は山川穂高が一人で稼いだものだ。どれだけチームの得点を増やしたかを示すwRAAをポジション別で見ると、平均を大きく上回っているのは、山川の守る一塁だけ(13.9)。リーグ3位の12本塁打を放っているオグレディが守る左翼はちょうどリーグ平均程度で、捕手も森友哉が開幕早々に人差し指の骨折で離脱した影響で明白な強みとはなっていない。

 右翼(-7.0)や中堅(-6.8)の他、打撃不振に苦しむ外﨑修汰が主に守っている二塁(-10.8)など大きな穴も多く。チーム打率.226は最下位のロッテにわずか3厘差の5位だった。この状態のまま、孤軍奮闘している山川が故障にでも見舞われようものなら一大事だ。
 ▼後半戦のキーポイント
・“山賊打線”の奮起

 というわけで、後半戦は打線の奮起が絶対に必要だ。実績的に一番期待したいのは森。故障の原因はベンチでマスクを投げた際のものとあって、批判を浴びたのは当然。その分を取り返してもらわねばなるまい。7月は打率.338と調子を取り戻しつつあり、このペースを保ちつつ長打が出るようになれば本物だろう。

・“好投”をディフェンスでバックアップ

 逆にディフェンス面では、守備力もキーポイントの一つ。66失策はリーグワースト、非自責点の失点48も最多ながらチームUZR26.0は2位。とりわけ併殺の完成能力が高いとのデータが出ている。ミスも出ているが、それ以上に好プレーが多いという表れでもある。打たせて取る投手が多いこともあって、引き続き守りでバックアップしていきたい。

文●出野哲也

【著者プロフィール】
いでの・てつや。1970年生まれ。『スラッガー』で「ダークサイドMLB――“裏歴史の主人公たち”」を連載中。NBA専門誌『ダンクシュート』にも寄稿。著書に『メジャー・リーグ球団史』『プロ野球「トレード」総検証』(いずれも言視舎)。

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