F1第12戦のフランス・グランプリは7月23日に予選が行なわれ、アルファタウリの角田裕毅は今季3度目のQ3進出を果たし、8番手のグリッドを手にした。

 初日に好感触を掴んだ角田は、フリー走行3回目で19周を走行して全体の10番手となる1分33秒751というベストタイムを計測。良い形で予選に臨むと、Q1は1分33秒394で13番手に入って突破、Q2も1分32秒836でトップ10入りを果たす。

 今季はマイアミGP、アゼルバイジャンGPに続いての進出となったQ3では、タイム計測をした8台中で最も遅かったものの(1分32秒780)、カルロス・サインツ(フェラーリ)、ケビン・マグヌッセン(ハース)がグリッド降格のペナルティーを受けたために、決勝は今季最高タイとなる8番手からスタートする。

 自身のSNSに「P8! 久しぶりQ3進出楽しめました」と投稿した彼は、チームの公式サイトを通して「アップデートした後、Q3に戻って来られて良かったです。チームの素晴らしい仕事により、良いポジションを得られました。我々が争いたいと思っていたポジションに戻って来られて、とても満足していますが、明日は全てをうまくまとめる必要がある」と喜びを表わしながら、以下のように続けている。

「新しい車への適応には苦労することが予想され、FP(フリー走行)1とFP2はチャレンジングでしたが、エンジニア、メカニックら、チーム全体が一体となって、我々は復活できました。バランスへのアプローチを変えたりしましたが、それがすぐにうまくいきました。これが、今日の好結果に向けてのターニングポイントになりました。ファクトリーの全員が、中速コーナーでのパフォーマンス改善に向けて素晴らしい仕事を果たし、狙っていた目標を達成することができました」
 「ロングランのペースは、今回のアップデートによってレースでも良いパフォーマンスを発揮できることを示しているので、タイヤ次第のところもありますが、ポイントを狙っていきます。1ストップか2ストップかなど、戦略も大事になると思いますが、我々がチームとして正しい方向に進んでいるという自信があります」

 また、彼は予選後のF1公式サイト『F1.com』のインタビューでは、今回のアップデートについて「アウトラップではもちろん、ピットレーンの出口でも、すでに違いを感じられました。(コース上では)特に高速コーナーで、これまでとの違いを感じました。これは、ファクトリーの全ての人々の素晴らしい仕事によるものです。あと、ポイント獲得に向けては、エンジニア、メカニック、そして我々ドライバー次第となります」とも語った。

 アルファタウリの車両パフォーマンス責任者であるギョーム・ドゥゾトゥーも、「ユウキは初日と比べて、明らかな進化を見せた。予選ではQ3に進み、8番手のグリッドを確保するなど、良い仕事を果たした。彼のドライビングはセッションを通して、安定していた」とドライバーを称賛。さらに、「中段争いのライバルであるマクラーレンやアルピーヌとのギャップを埋めることができたことに満足している」とのコメントを残している。 母国レースであるピエール・ガスリーがよもやのQ1敗退(16番手→決勝は14番手スタート)を喫して失望を示したチームは、その分、角田の躍進に喜びを隠さなかった。SNSでは「Q3に戻ってきた! よくやった、ユウキ!!」「ファンタスティックな仕事だ」「力強いラップで我々をトップ10に戻してくれた」「正しい方向に進んでいることを示した」といった賛辞を、次々に投稿した。

 海外メディアも、この日本人ドライバーの好結果に反応。イタリアの自動車専門サイト『MOTORIONLINE』は「ユウキはポール・リカールでの4列目スタートに満足している。ファエンツァからもたらされたアップデートの恩恵を受け、チームメイトを上回ることに成功。自信を得た彼は、レースではポイントという手の届く目標の達成に臨む」と報じ、決勝にも期待を寄せている。
  ガスリーに勝ったことについては、他メディアも言及しており、フランスの日刊紙『L’EQUIPE』は「アルピーヌのフェルナンド・アロンソ(7番手)とツノダは、いずれもフランス人のチームメイトよりも良い成績を収めた」をレポート。さらにブラジルの総合サイト『terra』は「日本人ドライバーがチームメイトを大きく引き離した。フランスGPでのアップデートで、それを活用できたのは、驚くべきことにガスリーではなく、ツノダだった」とまとめた。

 予選Q1の最初のラップ、ターン1でミスを犯してクラッシュし、タイム計測できないで終わった昨季の同GPとは対照的に、安定したドライビングで好結果を残した2年目の角田。自信を得た予選を経て、決勝でもしっかりポイント圏内を死守して、6戦ぶりの入賞を飾ることができるか要注目だ。

構成●THE DIGEST編集部

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