男子テニスツアー「ハンブルク・オープン」(7月18日〜24日/ドイツ:ハンブルク/クレーコート/ATP500)は現地7月24日にシングルス決勝が行なわれ、ノーシードのロレンツォ・ムゼッティ(イタリア/62位)が第1シードのカルロス・アルカラス(スペイン/世界ランク6位)に6−4、6−7(6)、6−4で勝利し、ツアー初優勝を果たした。

 ハンブルグの決勝は、19歳のアルカラス対20歳のムゼッティというクレーが得意な若手の対決で、ツアーでは初対戦。アルカラスはツアー6度目の決勝で過去5回全てに勝利、ムゼッティにとっては初めての決勝の舞台である。

 アルカラスのサービスからスタート。ムゼッティはリターンからかなりポジションを下げ、軌道の高いボールを使い、アルカラスのミスを誘う。ムゼッティは守備力が高く、ボールに追いついては相手の嫌がるショットを返していく。ドロップショットからパッシングを放ったり、回り込んでドロップショットを打ったりと、相手を動かして第1セットを奪取した。

 第2セットの第1ゲームをブレークしたムゼッティは、リードを保ち5−4のゲームでマッチポイントを2本握る。しかし取り切れずにタイブレークへ突入。再びマッチポイントが3本訪れたが、攻めのショットでミスが出て第2セットを失った。

 アルカラスに流れがいくかと思われたファイナルセットだが、お互い引かない展開となる。相手を前後左右に動かすも、それを拾って反撃する場面もあり好プレーが何度も飛び出る。キープが続く中、4−5アルカラスのサービスゲームで最高のリターンを見せたムゼッティが、6度目のマッチポイントでとうとう勝利を手に入れた。
  ムゼッティはオンコートインタビューで、「言葉が出ません。まだ夢の中にいるようです。ジェットコースターのように最後まで波のある試合でした。多くのマッチポイントを握りましたが、その時の相手の粘りがすごかったです」と、喜ぶと同時に2時間47分の激闘を振り返った。

 第2セットを落とした時のことを聞かれると、「あの時は動揺しましたが、それを見せないようにしました。自分を責めないようにして、できるんだと自分に言い聞かせました。今こうやって勝てたことがすごくうれしいです」と、冷静に見えた表情の下には、動揺があったことを明かした。

 ジュニア時代から戦ってきた2人だけに、表彰式のスピーチでムゼッティはアルカラスに、「本当にハードワークをする選手なので、私ももっと犠牲を払ってさらに頑張っていかないといけないと思っています。まだ若手ですが、以前よりお互い良いプレーができていますよね。また今後も戦っていきましょう」とエールを送った。

 ツアー決勝で初めて敗れたアルカラスは、「この一瞬のために頑張ってきましたが、今後はもっともっと頑張ります。そして大会で優勝します」と気持ちを新たにしていた。

 今後のテニス界を牽引していくだろう2人の初対決はムゼッティの勝利で終わった。これからも素晴らしい戦いを見せてくれることを期待したい。

構成●スマッシュ編集部

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