7月29日からプロ野球のレギュラーシーズン後半戦がスタートする。そこで、『THE DIGEST』では、プロ野球に精通する出野哲也氏に、前半戦を振り返りながら、独自の視点でセ・リーグの「ベストナイン」を選んでもらった。

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投手:青柳晃洋(阪神)

 投手は青柳以外に考えられない。持ち前の投球術に一層磨きがかかり、防御率1.37は、2位の西勇輝(阪神)より1点近くも低い数字で断然1位だ。15先発でQSでなかったのは1試合のみ、二桁勝利にも一番乗りを果たしている。

捕手:木下拓哉(中日)

 打撃成績なら坂倉将吾(広島)だが、いかんせんマスクを被ったのが22試合だけでは対象外だ。昨季ベストナインの中村悠平(ヤクルト)も、故障で37試合しか出ていない。木下は特別好成績というわけではないものの、捕手ではリーグでただ一人規定打席に到達。UZRもセ・リーグの正捕手では2位とあって、文句はないだろう。

一塁手:大山悠輔(阪神)

 オールスターでは一塁手に中田翔(巨人)がファン投票で選出されたが、本来なら大山が選ばれてしかるべきだった。もちろんそうならなかったのは、三塁手部門でノミネートされていたからだが、今季の彼はほとんど一塁で出ている。6月は絶好調で10本塁打を放ち、20本は3位タイ。タイガースの逆襲に一番功績のあった選手だ。

二塁手:牧秀悟(DeNA)

 牧は特に序盤戦の活躍ぶりが見事で、3〜5月は毎月OPSが1.000を超えていた。失策が多くUZR−9.0の守備に難はあるとはいえ、それでもなお山田哲人(ヤクルト)と吉川尚輝(巨人)以上の貢献度はあるはずだ。

三塁手:村上宗隆(ヤクルト)

 このポジションは異次元レベルの打者へ進化を遂げた村上一択。他球団にも好選手が揃っていて、例えば岡本和真(巨人)も21本塁打を放っているが、打率の低さもあって村上とは比べものにならない。宮﨑敏郎(DeNA)と坂倉も高打率を残していて、この3人はパ・リーグならばみなベストナインになれる成績なのだが、村上と同リーグ、同ポジションなのが不運というしかない。

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遊撃手:中野拓夢(阪神)

 坂本勇人(巨人)が故障で脱落した遊撃手は、独走するヤクルトの内野守備を締めている長岡秀樹も捨てがたい。だが、中野は打撃で打率10位以内に入り、守備も失策は多いもののカバーしている範囲は広い。打率の割に出塁率が低い点に物足りなさはあるが、総合力では長岡を上回っている。
 外野手:佐野恵太(DeNA)、塩見泰隆(ヤクルト)、近本光司(阪神)

 首位打者の佐野と、OPSでは佐野以上の数字を残している塩見は順当。残り一つの席は、打撃だけならOPS.800を超える丸佳浩とウォーカーの巨人勢も候補に挙げられる。だが、守備面とのバランスを考慮に入れ、WARで村上と塩見に次いで3位にランクされている近本を選んだ。近本以上に打率の高い大島洋平(中日)は、UZRが−8.5。名手とのイメージに反して守備の数値が悪すぎた。

投手:青柳晃洋(阪神)
捕手:木下拓哉(中日)
一塁手:大山悠輔(阪神)
二塁手:牧秀悟(DeNA)
三塁手:村上宗隆(ヤクルト)
遊撃手:中野拓夢(阪神)
外野手:佐野恵太(DeNA)
外野手:塩見泰隆(ヤクルト)
外野手:近本光司(阪神)

文●出野哲也

【著者プロフィール】
いでの・てつや。1970年生まれ。『スラッガー』で「ダークサイドMLB――“裏歴史の主人公たち”」を連載中。NBA専門誌『ダンクシュート』にも寄稿。著書に『プロ野球 埋もれたMVPを発掘する本』『メジャー・リーグ球団史』(いずれも言視舎)。

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