7月29日からプロ野球のレギュラーシーズン後半戦がスタートする。そこで、『THE DIGEST』では、プロ野球に精通する出野哲也氏に、前半戦を振り返りながら、独自の視点でパ・リーグの「ベストナイン」を選んでもらった。

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投手:佐々木朗希(ロッテ)

 山本由伸や山岡泰輔のオリックス勢、さらには千賀滉大(ソフトバンク)と有力候補が目白押しの投手部門だが、インパクトの強さを考えれば佐々木以外にない。規定投球回数にはわずかに足りなくとも、防御率は実質1位で奪三振、K/BBなどもトップ。何より今季のプロ野球で一番の話題となった選手なのだから、ベストナインに選ぶのは当然だ。

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捕手:宇佐見真吾(日本ハム)

 捕手は投手とは逆に、強力に推せる選手がいない。森友哉(西武)が長期欠場、甲斐拓也(ソフトバンク)も攻守とも不振。オールスターのファン投票で選出された松川虎生(ロッテ)もまだ力不足だ。盗塁阻止率42.2%の佐藤都志也(ロッテ)も打撃はwRC+70どまりで、107の宇佐見とは大差がある。守備でもまずまずの宇佐見が現状ではベストと判断した。

一塁手:山川穂高(西武)

 一塁は山川が妥当だ。OPS1.015は2番目の吉田より.085も高く、ベストナインだけでなくMVPの有力候補でもある。

二塁手:浅村栄斗(楽天)

 二塁も浅村で決まり。攻守に成長著しかった三森大貴(ソフトバンク)が、ケガで離脱したのが残念だ。

三塁手:野村佑希(日本ハム)

 野村で問題なし。守備は不安定で捕手転向案が出ているくらいだが、UZR0.9はそこまで悪くない。打撃も打率2割7〜9分台をずっと維持し、21二塁打も2位。宗佑磨(オリックス)は、守備は野村より上でも長打率3割そこそこでは物足りない。

遊撃手:今宮健太(ソフトバンク)

 リーグ3位の打率.296を記録している今宮と、抜群の守備力を誇る源田壮亮(西武)では、WARの数値だとほとんど差がない。それでも出場試合数が源田より20試合以上多く、また野手に故障者が続出しているホークスにあって奮闘している点を考慮しても、今宮を選ぶべきだろう。

外野手:松本剛(日本ハム)、島内宏明(楽天)、西川遥輝(楽天)

 外野は群を抜いて高打率の松本、OPS.798で6位の島内は当然として、残り1席が悩みどころだ。打率5位のグラシアル(ソフトバンク)は長打が少なく、同僚の牧原大成は成績は良いのだが外野で37試合しか出ていない。盗塁数1位の高部瑛斗(ロッテ)は出塁率が低く、オグレディ(西武)も決め手に欠ける。楽天のスタートダッシュに大きく貢献した西川は、その後打率が.220まで下がってイメージを悪くしているが、出塁率(.355)や守備貢献値(両リーグトップのUZR13.7)が高い。そのためWAR3.1はリーグの野手全体で4位となっており、3番目の枠に滑り込んだ。
 指名打者:吉田正尚(オリックス) 

 最後の指名打者は吉田以外にいない。コロナ陽性と左脚のケガにより24試合に欠場、規定打席にもぎりぎり達している程度だが、11本塁打は6位、打率.314も2位。球界有数の打撃技術は健在だ。

投手:佐々木朗希(ロッテ)
捕手:宇佐見真吾(日本ハム)
一塁手:山川穂高(西武)
二塁手:浅村栄斗(楽天)
三塁手:野村佑希(日本ハム)
遊撃手:今宮健太(ソフトバンク)
外野手:松本剛(日本ハム)
外野手:島内宏明(楽天)
外野手:西川遥輝(楽天)
指名打者:吉田正尚(オリックス)

文●出野哲也

【著者プロフィール】
いでの・てつや。1970年生まれ。『スラッガー』で「ダークサイドMLB――“裏歴史の主人公たち”」を連載中。NBA専門誌『ダンクシュート』にも寄稿。著書に『プロ野球 埋もれたMVPを発掘する本』『メジャー・リーグ球団史』(いずれも言視舎)。

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