突然のトレード要求から約1か月、NBA屈指のスーパースター、ケビン・デュラントの移籍先候補にまたひとつのチームが加わった。

 現地時間7月25日(日本時間26日)、『ESPN』のエイドリアン・ウォジナロウスキー記者は、ブルックリン・ネッツへトレードを要求したデュラントの獲得に向けて、マイアミ・ヒート、フェニックス・サンズ、トロント・ラプターズと共にボストン・セルティックスも定期的にコンタクトをとっていると報道した。

 同メディアは、セルティックスはエースのジェイソン・テイタムこそトレードトークに入れていないものの、ジェイレン・ブラウンとプロテクトなしのドラフト1巡目指名権3本(2025、27、29年)とドラフト指名権の交換権2本(24、26年)をパッケージにしていると報じた。

 すると『The Athletic』のシャムズ・シャラニア記者が、セルティックスはブラウンとデリック・ホワイト、ドラフト指名権をオファーするとネッツから断られ、ブラウンに名ディフェンダーのマーカス・スマート、複数のドラフト指名権にローテーションプレーヤーをもう1人という強硬な姿勢で迫られたことを報じている。

 セルティックスは昨季12年ぶりにNBAファイナルへ進出し、ゴールデンステイト・ウォリアーズに2勝4敗で敗れたものの、球団史上18度目の優勝にあと2勝まで迫った強豪。
 
 そのなかでガードのスマートは、昨季初の最優秀守備選手賞に輝き、さらにプレーオフではシーズン(平均12.1点)を上回る平均15.4点をあげてテイタムとブラウンを援護した。
  現在のチームにはテイタム、ブラウン、スマートという生え抜きのビッグ3のほか、アル・ホーフォードにホワイト、ロバート・ウィリアムズ三世、グラント・ウィリアムズ、ペイトン・プリチャードが在籍。

 さらにセルティックスは今夏、実績のあるマルコム・ブログドンとダニーロ・ガリナーリを獲得。着実に戦力増強していた矢先だったこともあり、デュラント争奪戦の仲間入りという報道に驚いた方も多いだろう。

 デュラントはウォリアーズ時代の17、18年に2連覇しており、ファイナルMVPにも2度輝いた。これまでのキャリアでオールスターに12度、オールNBAチームに10度も選ばれてきた男は、今年4月に『THE RINGER』へこう話していた。

「俺たちがタイトルを勝ち取ることができたら最高だろうね。素晴らしいことになる。でも俺がバスケットボールをプレーしている理由はそれだけじゃない。俺は日々成長していきたい。このアクティビティーが心底好きなんだ。チャンピオンシップに30得点すること、それに自分が期待するレベルでいること。それが練習に励む理由であり、俺はシンプルにそれが大好きなのさ」

 2007年のプロ入りから数々の栄冠を手にしてきた男は今年9月に34歳となる。デュラント獲得のために、セルティックスはチームのハート&ソウルのスマートを手放すのか。今後の動向から目が離せない。

文●秋山裕之(フリーライター)