今年2月に始まったロシアのウクライナ侵攻はスポーツ界にも大きな影響を与えている。無論テニス界も例外ではなく、今月初旬に行なわれた「ウインブルドン」ではロシア・ベラルーシ人選手の出場を禁止する強硬措置が講じられたばかりだ。

 そしてこのほどウインブルドンに続き、ロシアの隣に位置するエストニアの大会でも両国の選手の出場が禁じられることとなった。

 テニス系海外メディア『UBITENNIS』によると、エストニアでは8月中にITF(国際テニス連盟)が主催するフューチャーズ大会(最も低いカテゴリーの大会)が男女で1つずつ行なわれる予定だ。ところがその2つのトーナメントではロシア・ベラルーシ人選手の参加を認めないという。ウクライナ侵攻の収束が依然として見込めないことを踏まえた形だ。

 ロシアのニュースサイト『championat.ru』にはエストニアで文化大臣代理を務めるリイナ・ケルスナ氏の公式声明が掲載されており、その中で同氏は今回の強硬措置について以下のように述べている。

「今や国際的なスポーツは政治と切り離すことはできず、ロシアとベラルーシは戦略的目標を達成するためにスポーツを利用している。この決定により、我々は明確なメッセージを送っているのだ」
  だが、現時点でエストニア・テニス連盟のアラル・ヒント会長は「小規模なトーナメントの場合、アスリートは他の場所でプレーするという代わりの方法がある。またITFのイベントは様々な状況のもとで行なわれている」として、先のウインブルドンのようにポイント付与停止となる可能性については否定している。

 なおエストニアの首都タリンでは毎年9月末に女子のツアー大会「タリン・オープン」(ハードコート/WTA250)が開催されており、今年度も特に変更がない限りは9月26日から10月2日の日程で行なわれることになっている。ただしこちらの大会ではロシア・ベラルーシ人選手に出場禁止令が出されるかどうかはまだわかっていない。

 ちなみにWTAは基本原則として国籍による差別を認めないことを厳格に規定しており、仮にタリン・オープンでも出場禁止が正式に決定された場合は、同連盟が大会主催側に何らかの制裁を課すことも予想される。それだけに今後の動向には注目が集まりそうだ。

文●中村光佑

【写真】ロシア&ベラルーシ除外の「ウインブルドン」で活躍した男子選手たち!