ブルックリン・ネッツのケビン・デュラントがチームにトレードを要求したと報じられてから間もなく1か月が経過する。しかし、いまだに新天地が決まる目途は立っていない。

 現役随一、歴代でもトップクラスのスーパースター獲得にはそれ相応の見返りが必要になるが、ネッツを納得させるだけの条件を提示するのは容易ではない。しかし、これまで超大物スターを手掛けてきた敏腕エージェントは、“現代でトレードできない選手はほぼいない”との見解を述べている。

 今年9月に34歳となるデュラントは、現役最多となる得点王4回、オールNBAチーム選出10回を誇り、オクラホマシティ・サンダー時代の2013−14シーズンにMVP、ゴールデンステイト・ウォリアーズ在籍時の17、18年には優勝とファイナルMVPを手にしている。

 ネッツと年俸4000万ドル超の巨額契約があと4年残るなかでトレードを要求し、これまでマイアミ・ヒート、フェニックス・サンズ、古巣ウォリアーズなどが移籍先候補に挙がったが、成立どころか、交渉の進捗に関する続報も出てきていない。

 その要因はやはり、デュラントが現代トップクラスの大物ゆえだろう。当然ながらネッツはデュラントの価値に匹敵する見返りを求めており、交換相手はスーパースターないしは先発級を複数人、さらに複数のドラフト指名権を差し出す必要がある。獲得に乗り出す側も条件を満たすのは簡単ではないのと同時に、リスクも伴うため、二の足を踏んでいる状況だ。
  そんななか、昨季平均26.9点を記録したジェイソン・テイタム、23.6点をマークしたジェイレン・ブラウン、最優秀守備選手に輝いたマーカス・スマートらタレントを擁し、NBAファイナルに進出したボストン・セルティックスの名前が浮上した。

 かつて神様マイケル・ジョーダンやアレン・アイバーソンらのエージェントを務めたデイビッド・フォーク氏は、米メディア『SiriusXM NBA Radio』のインタビューで「セルティックスはデュラント獲得のためにトレードに動くか?」の問いに見解を語っている。

「トレードできない選手はリーグにほとんどいないと思う。カリーム・アブドゥル・ジャバーも、パトリック・ユーイングもトレードされた。トレードはビジネスの一部だ。時に、ビジネスの不幸な面に選手たちが巻き込まれることがある。(セルティックスの)ジェイレン・ブラウンは才能ある有望株だが、相手はケビン・デュラント。あのクラスの大物を獲得するとなれば、特別なことが必要になる」

 一方でフォーク氏は「ただ、セルティックスはチームケミストリーを崩壊させてまでトレードしようとはしないはずだ。ソーシャルメディア全盛の時代では、起こりうることはすべて世間に公開される。各所に大きな損害を生むことになるが、それが我々のいる世界の本質だ」とも語っている。

 敏腕エージェントは、デュラントのトレード自体は不可能ではないとしながらも、その相手がセルティックスになる可能性は低いと考えているようだ。

構成●ダンクシュート編集部