ニューヨークの“怪物”スラッガーが止まらない。

 現地時間7月29日、ニューヨーク・ヤンキースのアーロン・ジャッジは、本拠地で行なわれたカンザスシティ・ロイヤルズ戦の3回裏と8回裏に今季40号と41号を叩き込んだ。相手に大差をつけたなかで、チームの勢いを加速させる会心の2発だった。

 前日に39号となるサヨナラアーチを放っていたジャッジ。この試合でまず見せたのは、チームが1点をリードしていた3回裏だ。1死三塁で相手先発左腕クリス・ブビッチが投じた81.4マイル(約131キロ)のチェンジアップをすくい上げると高々と舞い上がった打球はレフトスタンドに着弾した。

 2試合連続となるアーチを放って40号という大台に乗せた30歳はもう止まらない。今度は、2死満塁で打席に立つと、相手4番手ジャクソン・カワーが初球に投じた85.9マイル(約136.9キロ)のチェンジアップを狙いすましたかのように強振。逆方向に飛んだ打球はぐんぐんと飛距離を伸ばし、熱狂するヤンキース・ファンが集う右中間スタンドに突き刺さった。

 一時はやや低調でペースが鈍っていたジャッジだが、後半戦に入ってから勢いは再加速。これで9戦8発となり、アメリカン・リーグの本塁打王争いでも2位のヨーダン・アルバレスに12本差と独走状態となっている。

 ロジャー・マリスの持つア・リーグ記録、シーズン61本塁打を超える64本ペースで打ちまくっている。そんなジャッジについて話題となっているのは、ア・リーグのMVPレースの行方だ。前半戦までは二刀流として唯一無二の輝きを放っている大谷翔平(ロサンゼルス・エンジェルス)が有利という見方が圧倒的ではあったが、ここにきて歴史的ハイペースとなっているヤンキースの主砲を推す声が強まっている。
  ニューヨークの地元紙『New York Post』などで執筆する敏腕記者のジョン・ヘイマン氏は、連日連夜の活躍を見せ、最強ヤンキースを牽引するジャッジを見て、こう訴えている。

「もうくだらない、でっち上げられたような議論はやめにしよう。アーロン・ジャッジはアメリカン・リーグのMVPだ」

 ヘイマン氏にとってヤンキースは、いわば“贔屓チーム”ではある。しかし、彼がジャッジを推すのは、勝利に直結する場面での活躍が目立ち、強豪ひしめくア・リーグ東地区を独走しているチーム状況も加味しているからだろう。

 無論、大谷も「個人」の活躍にフォーカスすれば、ジャッジがあげていない9勝をマーク。その投打にわたる活躍は凄まじいものがある。しかし、エンジェルスはア・リーグ西地区で4位と低調なまま。そうした状況でヤンキースの地区優勝という“補正”がMVPレースに影響をもたらす可能性は小さくない。

 果たして、シーズンの最後に栄えある称号を手にするのはどちらか。いずれにしても、今季のMVPレースは例年以上に熾烈なものとなっていきそうだ。

構成●THE DIGEST編集部

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