2022年のF1世界選手権は全22戦中の13レースを終えたところで、1か月間のサマーブレイクに突入している。

 シーズン開幕前には、新レギュレーションの施行によってこれまでの勢力構図に変化が生まれるかどうかが注目されたが、果たせるかな、レッドブルは変わらぬ強さを発揮する一方で、ライバルのメルセデスは、今季前半戦の最大の話題のひとつとなったポーパシング(高速走行時にマシンが上下に跳ねる現象)によって完全に出遅れ、代わりにフェラーリが台頭してきた。

 速さではレッドブルをも凌駕したイタリアの「跳ね馬」は、しかし信頼性の乏しさとチーム戦略の拙さでみすみす勝利を手放す展開が多く、逆にドライバー、チームともに抜群の安定感を誇るレッドブルの独走を許してしまっている。そんなトップ争いとは対照的に、中団争いは熾烈さを増し、レースごとに順位は大きく入れ替わっている。

 このような展開のシーズンの中で、ドライバーたちの明暗も分かれることとなっているが、英国公共放送の人気自動車番組『Top Gear』から派生した同名の自動車専門サイトが、今季前半戦におけるレギュラードライバー20人(セバスティアン・ヴェッテルに代わってアストンマーティンから出走したニコ・ヒュルケンベルクは除く)を、以下のようにランク付けした(点数は今季の獲得ポイント数)。

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マックス・フェルスタッペン(レッドブル)258点

◇ランクA
ジョージ・ラッセル(メルセデス)158点
ランド・ノリス(マクラーレン)76点

◇ランクA−
ルイス・ハミルトン(メルセデス)146点

◇ランクB+
ヴァルテリ・ボッタス(アルファロメオ)46点

◇ランクB
シャルル・ルクレール(フェラーリ)178点
セルジオ・ペレス(レッドブル)173点
エステバン・オコン(アルピーヌ)58点
フェルナンド・アロンソ(アルピーヌ)41点
ミック・シューマッハー(ハース)12点
アレクサンダー・アルボン(ウィリアムズ)3点

◇ランクB−
カルロス・サインツ(フェラーリ)156点
ケビン・マグヌッセン(ハース)22点
ピエール・ガスリー(アルファタウリ)16点

◇ランクC
セバスティアン・ヴェッテル(アストンマーティン)16点
ジョウ・グァンユ(アルファロメオ)5点
ランス・ストロール(アストンマーティン)4点

◇ランクC−
角田裕毅(アルファタウリ)11点

◇ランクD
ダニエル・リカルド(マクラーレン)19点
ニコラス・ラティフィ(ウィリアムズ)0点 記事では、全選手について寸評が記されているが、その中で主なところを紹介すると、ここまで8勝を挙げているフェルスタッペンについては「王者は完璧なドライビングを続け、最も近いライバル(ルクレール)にすら80点差をつけた。すでにトロフィー(年間王者)に片手が届いている」、ルクレールに対しては「7回のポールポジションを獲得しながら、最速マシンで優勝3回は芳しくない。チームの戦略ミスが続かなければ、より良い結果を得られるだろう」と、それぞれ綴っている。
  序盤の悲惨な状況から立ち直り、現在はコンストラクターズランキングでフェラーリを猛追しているメルセデスの2人については、ラッセルが「シルバーストーン以外で5位以下のフィニッシュがなく、ついたあだ名が『ミスター堅実』。経験豊富なチームメイトを上回る速さも見せた」、ハミルトンは「序盤はポーパシングに苦しんで迷いも見えたが、車が改善してからは5戦連続表彰台へ。ラッセルの先行を気にすることもなく、速さを求めるチームに呼応して極端なセットアップを選択したことは称賛に値する」との記述だった。

 中団争いに参戦しているベテランに目を向けると、アロンソについては「最初は運がなかったが、スペインGP以降は常にトップ10を記録。41歳になったが、そのスピードは彼自身の走行距離計に逆らい続けている」、今季限りでの引退を発表したヴェッテルには「4度の世界王者はチームメイトを完全に破ってはいない。車が貧弱なものであっても、彼であればもっと多くのものが期待できるはず」と、厳しい内容となっている。

 その他では、シューマッハーが「マグヌッセンに追いつくために無謀なドライブも散見したが、シルバーストーンで初入賞し、オーストリアでは6位と、努力で希望を掴んだ」、ルーキーのジョウは「堅実ではあるが、目を見張るものもない」、最低ランクとなったリカルドは「車が彼に合っていないのは周知のことだが、ノリスよりも何マイルも遅い……。このスポーツは残酷だ」、そしてラティフィは「一貫してチームメイトより遅く、ライバルチームが雇いたいと思うドライバーではない」との寸評となった。
  最後にアルファタウリ勢について、ガスリーへの記述は「彼を本当に望んでいるわけではないチーム(特にレッドブル首脳陣)に2023年まで留まることになった。お車が中団争いでも遅い方であるため、その才能を披露する機会はほとんどないが、アゼルバイジャンGPでの5位は非常に大きかった」という同情も含んだものとなったが、一方の角田に対しては以下のように綴られている。

「最初のレースで8位になったことは、困難だったルーキーイヤーからの飛躍を示唆したが、その不安定なフォームにより、ここまで 11ポイントしか獲得できていない。最悪の事態はカナダで発生し、ピットアウト直後に壁に直進した。レッドブル・ジュニアチームのドライバーから強い突き上げを食らっているわけではないが、角田には必死に良い結果を挙げることが必要である」

 同期のライバルや同じアジア圏のルーキーよりもランクでは下回ってしまった角田だが、中盤戦に入る頃までは安定感のあるドライビングで高評価を受けており、車に足を引っ張られる面は多かったのも事実と言えよう。後半戦では全てのパッケージをうまくまとめて上昇気流に乗り、前半戦の評価を覆すことができるか。

構成●THE DIGEST編集部
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