あらためて、「大谷翔平」の名が球史に刻まれた瞬間だった。

 現地時間8月10日に行なわれたオークランド・アスレティックス戦で、「2番・DH兼投手」として先発した大谷(ロサンゼルス・エンジェルス)は、今季10勝目をマーク。ベーブ・ルースが1918年に記録して以来となる「シーズン2桁勝利&2桁本塁打」を達成した。

 当の大谷本人は試合後に米放送局『Bally Sports West』などの取材で「単純に2つ(二刀流を)やっている人がいなかっただけかなと思うので。もしかしたら普通の数字かもしれない」と謙遜した。だが、あの野球の神様に並ぶ記録を打ち立てたのは、やはり“普通”ではない。

 投打における活躍がいかに難しいかは、他でもないルースが認めているところでもある。彼は9勝&29本塁打をマークした19年のシーズン後に、地元メディアの取材でこう明かした。

「毎日のように投げ、そして打席に立つのは大変だ。腕に負担がかかりすぎるんだ。俺はそのやり方が決して効果的でないことがわかった」
  偉業を達成する前の16年(323.2回)と17年(326.1回)に300イニング以上を投げていたルース。そんな登板過多を良しとする時代だったとはいえ、“野球の神様”が「大変だ」と漏らすほど簡単ではない二刀流を、28歳の日本人は見事にやってのけているのだ。

 いまや当たり前のように投打でMVP級の働きを見せ、104年前の大記録に並んだ。そんな当代屈指の天才には、米メディアでの反響も広まり続けている。米老舗スポーツ誌『Sports Illustrated』は、「オオタニが投打両方でオールスター級のプレーヤーであるという事実は、おそらく彼がスポーツ史で最も伝説的なプレーヤーと並ぶ存在であるということを意味している」と強調。そして、こう記した。

「オオタニが長期的に二刀流をこなせるかどうかは、時間が解決してくれるだろう。もしも、彼がそれをこなすなら、スポーツが持つ最高のスペクタクル(光景)になるのは間違いない」

 球界、いやスポーツ界全体においても稀有なアスリートとなりつつある大谷。彼の一挙手一投足には、世界中が熱視線を送り続ける。

構成●THE DIGEST編集部

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