昨季4度目の優勝を飾ったゴールデンステイト・ウォリアーズのドレイモンド・グリーンは、鍛え抜かれた肉体と明晰な頭脳、心理戦を仕掛ける狡猾さなど、あらゆる方法で相手を抑え込む好ディフェンダーとして知られる。

 198cm・104kgの体躯でポイントガードからセンターまで守ることができ、2016−17シーズンには最優秀守備選手賞を受賞。通算7度のオールディフェンシブチーム選出は、カワイ・レナード(ロサンゼルス・クリッパーズ)と並んで現役2位タイだ(1位はクリス・ポールの9回)。

 昨季のプレーオフではファーストラウンドで2年連続MVPのニコラ・ヨキッチ(デンバー・ナゲッツ)、NBAファイナルではボストン・セルティックスのジェイレン・ブラウンをガードするなど、ウォリアーズが誇るストッパー兼ディフェンシブアンカーとして絶大な働きを見せたことは記憶に新しい。

 そんな32歳のベテランフォワードは、現地時間8月10日に公開された自身のポッドキャスト番組でファンからの質問に応じ、“スター選手以外”で最も守るのが難しかった選手を明かした。

「スーパースターじゃない中で、俺がこれまでのキャリアでガードするのが困難だったのはタージ・ギブソンだな」

 両者が対峙したのはともにNBA入りする前の2008−09シーズン。ギブソンがサザンカリフォルニア大の3年時、グリーンはミシガン州大の1年生で当時はまだレギュラーではなかったが、先発センターのファウルトラブルによってマッチアップすることになったという。
  その後ギブソンは09年のドラフト1巡目26位でシカゴ・ブルズから指名され、ミネソタ・ティンバーウルブズやニューヨーク・ニックスなど4球団で13シーズンをプレー。キャリア平均9.0点、6.1リバウンド、1.0アシスト、1.03ブロックを記録する37歳の大ベテランは、今夏にワシントン・ウィザーズと契約し、14年目を迎えようとしている。

 グリーンはそんなギブソンのことを“リバウンドのコツを熟知したディフェンスのスペシャリスト”としてリスペクトしており、NBA2年目の時にはジャーメイン・オニール(元インディアナ・ペイサーズほか)に守り方を聞いたことがあったことも明かした。

 ポッドキャストの最後、「あの男は俺のことを見透かしてしまう。だから彼のことはどうも止められなくてね…。俺にとって止められないスーパースター以外の男はタージ・ギブソンなんだ」と締めくくったグリーン。

 ディフェンディング・チャンピオンとして新シーズンを迎えるウォリアーズは、プレシーズン初戦で日本へ乗り込み、9月30日と10月2日にさいたまスーパーアリーナでウィザーズとの「NBAジャパンゲームズ2022」を戦う。

 連覇を目指す1年の幕開けとともに、グリーンと“難敵”ギブソンの対決にも注目だ。

文●秋山裕之(フリーライター)