アルファタウリの角田裕毅は今季13レースを終えた段階で、入賞3回、合計獲得ポイントは11、ドライバーズランキング16位という結果となっている。

 幾つかの週末において、予選での速さ、決勝では落ち着いたレース運びと安定したドライビングを披露した角田。昨季に比べての成長ぶりを評価された一方で、車の性能の低さや不安定さに苦しみ、自らのドライビングミスや判断の誤りで手中にしかけていたポイントを逃すなど、良い点と悪い点の両方を余すところなく発揮したという印象だ。

 そんななかで、チームメイトであるピエール・ガスリーとの力関係については、圧倒的な差をつけられた昨季とは異なり、かなりの接戦を演じていると言えよう。前半戦を終えた段階での、各セッションや項目における両者の勝敗は以下の通りである。

決勝勝利数:角田5-8(2-5)ガスリー
予選勝利数:角田5-8(5-7)ガスリー
ラップごとの勝利数:角田221-393ガスリー
獲得ポイント数:角田11-16ガスリー
決勝最高位:角田7-5ガスリー
予選最高位:角田8-6ガスリー
リタイア数:角田3-3ガスリー
※括弧内の数値は両者完走レースのみ対象
  これについて、英国のF1専門サイト『RACEFANS』は、「あらゆる項目において、ツノダはガスリーへの“赤字”を減らして、より良い結果を出している」と日本人選手の健闘ぶりを称えるも、これは単純に彼がガスリーとの力の差を詰めてきたわけではなく「目に見える以外の理由があるのかもしれない」とも指摘している。

 同メディアは、今季のアルファタウリの車「AT03」について「残念ながら、昨季のものと比べて大幅に競争力が低下しており、フランス・グランプリで導入したアップデートも、彼らが望んだような飛躍をもたらしていない」と厳しく評し、これはどちらのドライバーに対しても有利な状況をもたらしていないと記した。

 しかし、より不運に見舞われているのがガスリーだとして、シルバーストーンで角田に接触されてスピンを喫した場面や、モナコGPで角田の赤旗に端を発してよもやの時間切れにより予選Q1敗退を喫した例を挙げ、彼がモナコやハンガリーなどでは、悪いポジションから印象的な回復を見せた場面にも言及している。

 そのうえで同メディアは、「ガスリーは今季後半戦に運命が変わるとしたら、ツノダがこのフランス人に追いつくのは厳しくなるかもしれない」と予想。車の性能が上がり、前半戦のような不運を避けられた場合、やはり昨季同様にガスリーにとって状況は有利になると見ている。 このような厳しい展望を示された角田に対して、レッドブルのヘルムート・マルコ顧問もドイツのモータースポーツ専門サイト『MOTORSPORT TOTAL.COM』で苦言を呈している。その対象となったのは、これまでにも再三言及している、無線での“罵声”だ。マルコ顧問は、「ある時点で、彼の怒りの爆発は度を過ぎるようになった」と指摘する。

「彼はカーリン(F2時の所属チーム)から、英語での罵り方を学んだ。しかし、コーナーの中での罵声は良くない。それは、走行がスローになることを意味するからだ。我々は彼に、それを止めるべきだと説明した。そして、エンジニアは『クソな車』などといったフィードバックを受けたところで、何もできない」

「レッドブル・グループには2人の日本人がいるが、ユウキとアユム・イワサ(F2)ほど正反対な人間はいない。イワサはポールポジションでスタートして勝てなかった場合に謝罪してくるが、ユウキは違う。彼は何も気にせず、非常に感情的で、日本人としては例外的な存在だ」
 
 感情面のコントロールのために、レッドブルが角田に心理学者をつけたとが報じられもしたが、これを指示したマルコ顧問は、22歳の日本人ドライバーを擁護もしている。彼は「この点で問題を抱えているドライバーはツノダだけではなく、非難すべきことでもない」とし、さらに彼への期待を語っている。

「ユウキは我々にとって、ある種のカルトな存在だ。彼はグランプリを制する可能性を秘めている。そしてそれが、我々がジュニアプログラムで目指していることだ。しかし、世界王者になるためには、全てが揃う必要がある。ドライバーは大事なところで、チームを鼓舞することも、崩壊させることもできる。ゆえに、人間性においてもさらに進歩する必要がある」

構成●THE DIGEST編集部

【関連記事】アルファタウリのトスト代表、独走する王者フェルスタッペンの無限の能力を絶賛! 低調な角田裕毅には課題提起で「全ては彼次第」

【関連記事】英国専門メディアが「2022年前半戦5つの失望」を選定! 苦戦中の角田裕毅やアルファタウリへの言及も

【関連記事】角田裕毅のF1残留についてレッドブル顧問は「リストの最上位にいる」と明言! 専門サイトは将来的な「日本人コンビ誕生」も示唆