現地時間8月16日、NBA史上最長となる22シーズンをプレーしたレジェンド、ヴィンス・カーターのポッドキャスト番組『The VC Show』に、ゴールデンステイト・ウォリアーズのアンドリュー・ウィギンズがゲストとして出演した。

 カナダのオンタリオ州にあるトロントで生まれたウィギンズは、8目の昨季に初めてオールスターに選ばれると、プレーオフでも全試合で先発を務めて初優勝を味わった。

 ウォリアーズはステフィン・カリー、クレイ・トンプソン、ドレイモンド・グリーンという強固な3本柱が絶対的な中心だが、ウィギンズが攻守両面で貴重な働きを見せたことは記憶に新しい。

 特にボストン・セルティックスとのNBAファイナル、1勝2敗で迎えた第4戦からは圧巻だった。この試合で17得点、キャリアハイの16リバウンドを奪うと、続く第5戦では26得点、13リバウンド、シリーズ決着となった第6戦でも18得点、6リバウンド、5アシスト、4スティール、3ブロックとオールラウンドな活躍を見せて3連勝を演出。

 シリーズ平均39.2分、8.8リバウンド、1.5ブロックはいずれもチームトップで、18.3点はカリーの31.2点に次いで堂々のチーム2位。守備では相手エースのジェイソン・テイタムをガードするなど攻守両面で輝きを放った。
  番組内でカーターからこのオフシーズンでどの部分を高めようとしているのかと聞かれたウィギンズは、「シューティングだね」と返答。「ドリブルからのシューティングさ。あとは左手のボールハンドリングを強化している」と語った。

 ウィギンズは昨季、レギュラーシーズンこそ3ポイント成功率39.3%(平均2.2本成功)と自己ベストの数字を叩き出したものの、プレーオフでは33.3%(同1.6本)へダウン。もし彼がカリーのようにプルアップから軽々と3ポイントを決めるようになれば、相手チームにとっては悪夢でしかなく、ウォリアーズはこれまで以上にディフェンスが的を絞りにくいチームになるに違いない。

 キャリアを重ねるごとに3ポイントを武器へと昇華したカーターは、「今励んでいることを全部やりこなすんだ。それこそが究極の選手だ。君ならできるさ。私もそうしてきたんだから」とウィギンズへエールを送っていた。
  今季のウォリアーズが目指すのはもちろん、2017、18年以来の連覇だ。その上でウィギンズは、個人として掲げる目標についても明かしている。

「来たる新シーズンで僕が本当に目指しているのは、オールディフェンシブチーム。僕にとっては大きなゴールなんだ。今回のプレーオフで(ディフェンダーとして)認識されていたらいいね。だって僕は今年1票も入っていなかったんだよ! そのことを頭に入れてプレーオフに臨んだのさ」

 昨プレーオフで、ウィギンズはジャ・モラント(メンフィス・グリズリーズ)やルカ・ドンチッチ(ダラス・マーベリックス)、テイタムといった相手チームのベストプレーヤーをガードしてきた。
  本人が言うように、レギュラーシーズン後に行なわれたオールディフェンシブチームの投票では0票に終わったものの、ウォリアーズがプレーオフを勝ち上がるにつれて彼の守備に対する評価は上がっていただけに、今季はディフェンダーとしても注目されるだろう。

 NBAでオールディフェンシブチームに選ばれるのは毎年10名のみ。これはオールスター(計24名)、オールNBAチーム(計15名)よりも狭き門となるが、ウィギンズは昨季得た自信を胸に、新たなチャレンジに向かい始めている。

文●秋山裕之(フリーライター)