歴史的な一打が飛び出したのは、現地時間8月29日に行なわれたロサンゼルス・エンジェルス対ニューヨーク・ヤンキースの8回表だった。

 1死無塁の局面で打席に立ったのは、2対4とビハインドを追っていたヤンキースの主砲アーロン・ジャッジだ。この試合は初回の第1打席を除き、2打席連続で申告敬遠をされていた30歳の怪物スラッガーだったが、土壇場で魅せた。

 対峙した相手右腕ライアン・テペラが、カウント1-1からの3球目、真ん中低めに投じた81.3マイル(約130.9キロ)のカーブをジャストミート。ジャッジ本人が打った瞬間に確信めいて見送った打球は、センター後方に着弾。シーズン50号となるメモリアルアーチとなった。

 今季は開幕から快調に飛ばしてきたジャッジ。これが自身のキャリアで2度目のシーズン50発となった。ちなみに長きに渡るメジャーの歴史において、それを複数回達成したのは、わずかに10人。ヤンキース史に限って振り返れば、ベーブ・ルースとミッキー・マントルしか成しえていない大記録である。

 もっとも、エンジェルスの本拠地で開催されたこの日の主役は、ライバルの“エース”大谷翔平だった。

“リアル二刀流”で11勝目を挙げた翌日となった現地時間8月27日に行なわれたトロント・ブルージェイズ戦で28号を放っていた背番号17。そんな疲れ知らずの偉才は、奇しくもジャッジの眼前で会心の当たりを見せつけた。
  2対2で迎えた5回裏だった。2死一塁の局面で打席に入った大谷は、相手先発フランキー・モンタスが外角低めに投じたスプリットを右手一本ですくい上げるようにして打ち上げる。カウント1-2から三振を狙いにいった右腕の“決め球”を力で引っ張った打球は、高々舞い上がり、センターで守るジャッジの頭上を越え、右中間スタンドに突き刺さったのである。

 結局、大谷の一打が決勝打となった。これでヤンキースは3連敗。今月では17敗目(9勝)となったため、現地メディアからは辛辣な声が上がった。地元紙『New York Post』は「アーロン・ジャッジの歴史的な夜がショウヘイ・オオタニによって台無しにされた」と銘打ったマッチサマリー記事で、次のように記した。

「アーロン・ジャッジはヤンキース史上3人目のシーズン50本を複数回記録した打者となり、歴史を作った。しかし、ジャッジのア・リーグMVPに対する1番の挑戦者、そう、ショウヘイ・オオタニがこの夜は爆発した。ヤンキースは、今では遠い記憶のように思える5連勝のあとに3連敗を喫した」

 注目に活躍を見せた大谷とジャッジ。この両雄の活躍に対する反響はしばらく止みそうにない。

構成●THE DIGEST編集部

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