男女ともに連日熱戦が繰り広げられているテニス四大大会「全米オープン」(8月29日〜9月12日/アメリカ・ニューヨーク/ハードコート)。セレナ・ウィリアムズの最後の舞台としても注目を集めているが、他にも今大会で現役生活に別れを告げる選手を2人紹介しよう。

 まず1人目はシングルスで10度、ダブルスで5度のツアー優勝を誇る男子テニス界屈指のビッグサーバー、サム・クエリー(アメリカ/世界ランク287位)だ。

 198センチの長身を生かした強烈なサービスを武器に2017年ウインブルドンでベスト4入りを経験し、18年2月には自己最高位となる11位をマークした34歳のクエリー。だが最近は出場した多くの大会で早期敗退が目立ち、大きく順位を落としていた。

 今回の全米には本戦ワイルドカード(主催者推薦)で参戦したものの、現地8月30日に行なわれた男子シングルス1回戦でイリア・イバシュカ(ベラルーシ/73位)に6−4、4−6、6−7(8)、3−6の逆転で敗退した。

 また31日には同郷のスティーブ・ジョンソンとのペアでウェスリー・コールホフ(クロアチア)/ニール・スカプスキ(イギリス)との男子ダブルス1回戦を戦ったが、こちらも4−6、6−7(5)のストレートで敗れ、16年の現役生活にピリオドを打った。

 クエリーは9月1日に更新した公式インスタグラム(@samquerrey)で、家族写真やコート上での姿を撮影した自身の画像を添えて現役引退を報告。「テニスを通じて思い出を作れたことに感謝しています! この16年間は素晴らしいものでした。家族と共に歩む次の章を楽しみにしています」と綴っている。
  2人目はクエリーと同じ34歳の女子元世界9位、アンドレア・ペトコビッチ(ドイツ/現104位)。WTAツアーでシングルス7勝を挙げ、14年の全仏オープンではベスト4入りを果たした実力者だが、同時に度重なるケガにも悩まされた苦労人でもあった。

 そんなペトコビッチは現地8月30日に実施された女子シングルス1回戦で元世界4位のベリンダ・ベンチッチ(スイス/13位)に挑むも、2−6、6−4、4−6のフルセットで敗戦。涙を流しながらコートを後にした彼女は試合後の会見で「大好きで尊敬しているベリンダ(ベンチッチ)に対して、このような形で最後の試合を終えられて良かったと思う」と語り、今大会限りで現役を退くことを正式に表明した。

 テニスファンに親しまれてきた往年のプレーヤーの引退は何とも寂しいものだが、クエリーとペトコビッチの第2の人生が幸多きものとなるよう祈りたい。

文●中村光佑