9月7日に8月の月間MVPが発表されるのを前に、投打各部門の月間トップ3を紹介する。今回はパ・リーグ編だ。

【野手】
●OPS ※60打席以上
1位 島内宏明(楽天) 1.100
2位 吉田正尚(オリックス) 1.022
3位 近藤健介(日本ハム) .968

 7月から1位と2位が入れ替わり、島内がトップに立った。島内は長打率(.660)、吉田は出塁率(.440)と、いずれも2か月続けてリーグベストとチームを牽引。OPS4位は安田尚憲(ロッテ)のOPS.948で、貧打に苦しむチームで明るい話題になった。なお、甲斐拓也(ソフトバンク)は出塁率.205/長打率.194/OPS.400のすべてでリーグワーストに沈んだ。

●打率 ※60打席以上
1位 島内宏明(楽天) .381
2位 吉田正尚(オリックス) .337
3位 荻野貴司(ロッテ) .326

 こちらもOPSと同じく、島内と吉田がワンツーフィニッシュ。3位の荻野も7月に続いて全試合でリードオフを務め、出塁率も.396(7位)と役割を果たした。左ヒザ骨折により4週間戦列を離れた松本剛(日本ハム)は、完治しないまま8月下旬に復帰。それでも月間打率.325でシーズン首位打者の座は明け渡さない。一方、リーグワーストは清宮幸太郎(日本ハム)の.127で、杉本裕太郎(オリックス)も.130と春先の不振に逆戻り。

●安打
1位 島内宏明(楽天) 37
2位 源田壮亮 (西武) 35
3位 デスパイネ(ソフトバンク) 31

 月間37安打を放った島内は、松本の戦線離脱中にシーズン安打数でも1位に躍り出た。14長打も最多だった島内とは対照的に、源田は35本中32本が単打だった。デスパイネは長打が6本のみと迫力に欠けたが、代わりに打率.316と確実性を発揮。野村勇(ソフトバンク)は16安打中9本が長打で、島内や山川穂高(西武)にも見劣りしないパワーを発揮した。
 ●本塁打
1位 山川穂高(西武) 7
2位 島内宏明(楽天) 6
3位 頓宮裕真(オリックス) 5
3位 中村剛也(西武) 5

 山川は8月も7本塁打を量産し、シーズン通算37本で相変わらずリーグトップ。8月26日のオリックス戦では、昨季16打数1安打と苦手にしていた山本由伸に特大の一撃を見舞った。頓宮はたった40打数で5ホーマーを放ち、12安打のうち7本が長打と自慢のパワーが完全開花しつつある。6、7月にノーアーチだった中村も本塁打5本と持ち味を発揮した。

●打点
1位 島内宏明(楽天) 21
2位 山川穂高(西武) 16
3位 デスパイネ(ソフトバンク) 15
3位 今宮健太(ソフトバンク) 15

 島内のバットの勢いは凄まじく、特に得点圏では月間打率.462の勝負強さ。本塁打のタイトルは安泰の山川だが、打点では猛追を受けている。デスパイネは7月までは計8打点だったが、8月には一気にほぼ倍の15打点を稼ぎ出した。

●盗塁
1位 周東佑京(ソフトバンク) 8
2位 髙部瑛斗(ロッテ) 6
3位 中島卓也(日本ハム) 5

 リーグ最多8盗塁を記録した周東は、失敗1のみと成功率も上々。目下盗塁王の髙部も同じく失敗は1つのみで、初タイトルへ向けて着実に上積みしている。ランク外では中川圭太(オリックス)が成功率100%で4盗塁。逆に盗塁死は中村奨吾(ロッテ)と福田周平(オリックス)の3がワーストだった。
 【投手】
●防御率 ※20イニング以上
1位 宮城大弥(オリックス) 1.14
2位 山本由伸(オリックス) 1.50
3位 髙橋光成(西武) 1.80

 1位の宮城は特に西武相手の快投が光った。8月20日に敵地で8回をゼロ封、27日にはホームで無四球4安打のプロ初完封勝利。チームメイトの山本も、19日の西武戦で今季2度目の完投勝利を挙げるなど4先発すべて自責点2以下と安定感を発揮した。一方、開幕から月ごとに極端な好不調を繰り返していたロメロ(ロッテ)は、ここにきて2か月続けて防御率5点台(5.75)と苦しんでいる。

●勝利
1位 宮城大弥(オリックス) 3
1位 髙橋光成(西武) 3
1位 エンス(西武) 3

 月間防御率と二冠の宮城は8月3日の西武戦で黒星も、11日以降の3先発はすべて8回以上1失点以下の好投で3つの白星をつかんだ。同じく3勝を挙げた西武の両投手はいずれも無敗で、特に高橋は先発した全5試合でQSを達成。月間ではリーグ最多タイの14勝を記録したチームの原動力となった。なお、8月27日にノーヒッターを達成したポンセ(日本ハム)は、他の4登板では計14失点で防御率は3.60だった。

●奪三振
1位 山本由伸(オリックス) 35
2位 今井達也(西武) 31
3位 佐々木朗希(ロッテ) 29

 3か月連続で山本がリーグ最多。8月10日の楽天戦では今季最多の11奪三振を記録した。今井は8月26日のオリックス戦で9回144球を投げて10奪三振、4先発とも投球回以上の三振を奪った。佐々木は4先発以上の月では最も低い奪三振率10.73にとどまり、月間防御率4.44、被本塁打4、被打率.241はいずれも今季ワースト。救援では松井裕樹(楽天)が全10登板で三振を奪い、リーグ最多の17奪三振をマークした。
 ●投球回
1位 髙橋光成(西武) 35.0
2位 宮城大弥(オリックス) 31.2
3位 山本由伸(オリックス) 30.0

 防御率の3傑投手が投球回でもランク入りと、「質と量」を見事に両立。防御率ではオリックス勢2人の後塵を拝した髙橋だが、リーグ最多タイの5先発をこなし、そのすべてで6イニング以上投げた。ただ、1先発平均のイニング数は宮城が上回っている(髙橋が7.0回、宮城は7.8回)。

●セーブ
1位 松井裕樹(楽天) 8
2位 増田達至(西武) 6
3位 オスナ(ロッテ) 5

 トップの松井は8月30日のオリックス戦で救援失敗するまで、前月から13登板連続無失点を継続した。対照的に2位の増田は7月の不調を引きずってか防御率4.32と苦しみ、失敗も2度あった。MLBでセーブ王を獲得した実績もある大物助っ人オスナは、8月下旬からクローザーに就任し、抜群の球威はもちろん月間9.0回で1四球のみと制球も光った。

●ホールド
1位 嘉弥真新也(ソフトバンク) 9
2位 西口直人(楽天) 8
3位 唐川侑己(ロッテ)7

 球界きっての左殺しとして名を馳せる嘉弥真がリーグ1位。12登板で5.2イニングとワンポイントが多かったが被安打1、失点ゼロと役割を堅実に果たして勝利に貢献した。8月からセットアッパーに定着した西口と、今季初の一軍昇格を果たした唐川はいずれも月間1失点と抜群の安定感。7月にリーグ最多タイの7ホールドを稼いだ水上由伸(西武)は8月も6ホールドを積み上げたが、防御率4.63で3敗と内容はいまひとつだった。

文●藤原彬

著者プロフィール
ふじわら・あきら/1984年生まれ。『SLUGGER』編集部に2014年から3年在籍し、現在はユーティリティとして編集・執筆・校正に携わる。ツイッターIDは@Struggler_AKIRA。