二刀流戦士の“価値”が問われている。現在、ア・リーグのMVP争いでトップにいると目されている大谷翔平(ロサンゼルス・エンジェルス)だ。

 スタッツだけを見れば、彼の価値は一目瞭然だ。打っては打率.266、30本塁打、OPS.880、11盗塁というハイアベレージをマーク。投げても11勝(8敗)をあげ、防御率は2.58、奪三振率11.98を記録。投打で図抜けたポテンシャルを発揮している。

 キャリア初のMVPに輝いた昨季に続き、疲労を感じさせない快進撃を見せ続けている。ゆえに2年連続MVP受賞は「もはや必然だ」と言いたくなる。だが、今季のア・リーグには強力なライバルが存在する。ニューヨーク・ヤンキースの主砲アーロン・ジャッジだ。

 30歳となる怪物スラッガーもまた驚異的だ。現地時間9月4日までにキャリアハイの53本塁打を記録しているジャッジは、年間64本ペースを維持。1961年にロジャー・マリスが打ち立てたア・リーグ新記録(61本)を凌駕しようとしている。
  もっとも、マリスの記録はメジャー全体7位に過ぎない。だが、彼よりも多く打っているサミー・ソーサ、マーク・マグワイア、バリー・ボンズはいずれも現役時代のドーピングが判明しており、61年前に打ち立てられた大記録こそが「真のホームランレコード」とも指摘される。ゆえにジャッジがこれを抜けば、「MVPはジャッジのもの」とする意見は数多に飛び交っている。

 そうしたなかで「すまない、ジャッジ。ショウヘイ・オオタニがMVPだ」とする持論を提唱したのは、米スポーツ専門メディア『TWSN』のギャビン・ダウナード記者だ。かねてから今年のMVPレースを「過去にないほど熾烈だ」と評してきた同記者は、ジャッジについて「間違いなくエリート。軽視をするつもりはない」と前置きしたうえで、「私はオオタニが勝つと言わせてもらう」と言い切った。

「オオタニがやっている全てが、本当に前代未聞だ。人々には、彼のプレーや記録した数字の数々が当たり前のことと考えるのをやめてくれと言いたい。彼は昨シーズンのホームラン王であるブラディミール・ゲレーロJr.よりもホームラン数が多く、昨年のサイ・ヤング賞となったコービン・バーンズよりも防御率は低いんだ。これを『Valuable(価値)』と言わずして何というべきか。スタン・リーの名言を借りれば、『Nuff said(これ以上は言わなくていいね)』である」

 レギュラーシーズンが残り1か月を切り、より混沌としてきているア・リーグのMVPレース。はたして、最後に勝者となって歴史に名を刻むのは、「二刀流の偉才」か。それとも――。

構成●THE DIGEST編集部

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